社会全体でシニアの力への期待が高まる中、社会活動においてもシニアの需要は増加傾向にあるといいます。ボランティア募集情報サイト『activo(アクティボ)』を運営する株式会社activo(京都府京都市)が実施した「65歳以上のシニアボランティア」に関する実態調査によると、非営利団体の9割以上がシニアボランティアを「戦力になっている」と回答したことが明らかになりました。
この調査は、非営利活動を行う全国のactivo団体会員を対象として2026年9月にインターネットで実施され、有効回答数は91団体でした。
総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果(2026年3月公表)」によると、2025年の65歳以上の就業者数は943万人(就業率26.0%)と過去最多を記録しました。
同サイトで公開されたシニアを対象に含むボランティア案件数の推移を見ても、コロナ禍が明ける2022年から急増。格差や孤立など社会課題の複雑化と増加に伴い、シニア人材への需要が増加しています。
実際にボランティア求人を掲載する非営利団体の75.8%が「シニアボランティアを歓迎している」と回答。
「シニアを歓迎する理由」としては、「豊富な人生経験による対応力」(76.8%)や「自由な時間の多さ」(60.9%)、「長年の社会経験によるビジネスマナー」(49.3%)など、単に「平日や日中の空いた時間に来てもらえる」という利便性以上に、長年培ってきた人生経験や、現場の臨機応変な対応力が求められていることが浮き彫りになりました。
その一方で、「実際にシニアが在籍している団体の割合」を見ると、「現在はいない」という団体が30.4%を占め、需要に対して十分な人材が行き届いていないという課題が明らかとなりました。
しかし、実際にシニアボランティアが在籍している団体に絞ると、95.8%が「戦力になっている」と回答。これはお世辞や建前ではなく、現場を支えるリアルな中心戦力としてシニアが頼りにされている証拠です。
「戦力となっている理由」でも、歓迎理由と同様に「豊富な人生経験による対応力」(45.7%)が最多となり、以下のような感動や称賛のエピソードが寄せられました。
▽子ども食堂の、混雑状況や各配置の動きの悪い所を確認して、すかさずヘルプに入ってもらえる。現場のスーパーバイザー(子ども食堂運営団体)
▽さまざまなバックグラウンドを持つ生徒たちの悩みや困難に優しく寄り添い、解決の知恵を貸してくださる。本当に助かっています(日本語学習サポート団体)
▽元経営者の方の参加で、団体の経営や企業連携についての的確なアドバイスをもらい、実際の企業同行までご協力いただきました(生活支援団体)
▽若い方は、相手に対して助言をするような事はなかなか難しいが、シニアの方はやんわりと適切にアドバイスをしてくれて、こちらも勉強になる事が多い(子どもの預かり・送迎団体)
▽訪問者との関係づくりや相談事、問題があったときの対応力など、生活経験が豊富で地域貢献に前向きな気持ちのあるシニア女性には、安心して任せられ、彼女たちなしには運営は成立しない(地域づくりのコーディネート団体)
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調査結果を受け同社は、「内閣府の調査によると、シニアが社会活動に参加した人の84.6%が『生きがいを感じている』というデータもあります。仕事や家庭の経験だけでなく、60年以上生きてきた経験そのものが、非営利団体の現場では強力な『戦力』として歓迎されています」とコメント。
そのうえで、「一方で、セカンドキャリアとしての社会貢献活動は『定年退職を迎えてから焦って探し始めても遅い』とも言われています。定年後にスムーズに社会とつながり、自分らしい生きがいを見つけるためには、ミドルシニア(40代・50代)の頃からNPOや地域活動に関わり、少しずつ関わりを作っておく『助走期間』が重要です」と述べています。