驚くほどの売り上げを立ててキラキラと輝くキャバ嬢の“億女”、会員制ラウンジでひっそり働く港区女子、SNSを駆使して指名を集中させるオトナのお店のキャストなど、インターネット上では夜のお仕事で稼ぐ女性をかんたんに見つけられます。そのため、以前よりも多くの人が彼女たちに憧れを抱いているようです。
ナイトワーカーに羨望のまなざしを向けるのは若者だけではなく、ミドル世代さえキャストに夢中。ギリギリ夜の世界に挑戦できるであろう年代の人が「私にも」と志願する例さえ見られます。
ナイトワーク志願者が急増する一方で、悩ましいのは芸能界です。セクシー女優やグラドルの応募者が以前より減少し、新人獲得が難しい状態に……!大きく分ければどちらも「人気商売」というカテゴリーですが、どうしてこのような状態になってしまったのでしょうか。元セクシー女優でスナックなどのキャスト経験もある筆者が考察します。
即日即金>「勝てるかわからない戦い」
抜群のビジュアルを持っていても、必ず成功するとは限らないのが芸能界。デビューから狭き門であり、誰もが知るタレントになるのは茨の道です。
クラスで1番可愛い女の子でさえ挫折する世界となると、この世界は常に「勝てるかわからない戦い」に参加し続けるようなものでしょう。仕事がゼロなら、生活がままならないのも普通です。
そんな芸能界のお仕事に比べると、水商売はどうでしょうか。もちろん、こちらもビジュアルや仕事意欲が強く求められるものの、大都会で働くことを望まなければ、下町でコツコツ下積み生活をする選択肢もあります。自力でお客さんを掴み、稼いだお金で整形し……というステップアップを踏めば、誰もが輝ける可能性を秘めているのです。
芸能はオーディションやあいさつ回りなどの営業活動をしたところで、一銭も入ってきません。一方で水商売は働きさえすれば即日即金。貯金をするには最適ですから、ハイブランドや海外旅行、生計などお金に困らないキラキラを求める“志願兵”たちからすると夢のような商売ということです。
いつ花が咲くかわからない世界よりも、即日即金で可能性が広いフィールドを選ぶのが最近の考えだと言えましょうか。ナイトワーク挑戦のハードルが下がっていること、そして芸能より歓楽街に魅力を感じる人がいかに増えているかが分かりますね。
苦戦する芸能界……まっさらな素人の志願が激減中?
では、即日即金の魅力だけが、芸能界への憧れが薄まった理由でしょうか。おそらく、わざわざ事務所に入ってテレビ出演を目指すよりも、SNSや夜職で稼げて有名になれると考える人が増えたのも、理由の1つでしょう。
事務所に入ってもスタートラインに立てるかわからないのなら、「自分でクリエイトして道を切り開く」のも手。Instagramのサブスク、TikToker、YouTuber、ファンサイト運営など今はとにかく選択肢が広いですから、無理に事務所へ入る必要性もなくなりました。
おまけにタレントの「新人時代のジリ貧エピソード」を聞くと、コスパ・タイパを優先する人には耐えられません。「そこまでしてしがみつく必要ある?」「じゃあ夜職しながら知名度上げてインフルエンサーになった方がいいや」と思ってしまう人が増えるのも当然かもしれません。
最近では“勝てそうな戦い”をしたい人が多く、オーディション応募も元からフォロワーがいる女性や、すでに活動歴があるインフルエンサーが目立ちます。事務所も動画がバズったアカウント主をスカウトする傾向にあるため、これではまっさらな素人が減るのも納得です。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。