「一番しんどいことがわかりました」
そんな言葉から始まる、4児の父親の投稿がInstagramで注目を集めています。
夜間の授乳や家事そのものよりもつらかったのは、何かを始めても赤ちゃんのお世話で中断され、思うように物事が進まないこと。一日中動いていたはずなのに、振り返ると何も終わっていないように感じてしまうといいます。
投稿したのは、43歳の専業主夫「とっしー」さん(@tomeyouno.wa)。4人の子どもたちを育てながら、家事や育児に奮闘する日々を発信しています。
妻の起業を機に専業主夫へ
とっしーさんが専業主夫になったきっかけは、妻の起業でした。現在は、中学2年生の長男(14歳)、中学1年生の長女(13歳)、小学3年生の次女(8歳)、生後4カ月の次男を育てながら、家庭のことを担っています。
朝は早く、午前6時25分に長男を最寄り駅まで送ります。長男が通っているのは、県外にある私立中学校です。その後、午前7時30分には、インターナショナルスクールに通う次女を学校まで送ります。
自宅へ戻るのは午前10時ごろ。そこから生後4カ月の次男のお世話をしながら、掃除や洗濯、食事作りなどに取りかかります。
しかし、落ち着いて家事に向き合える時間は長くありません。午後2時には次女を迎えに行くため、再び家を出ます。それまでに妻の昼食と、家族の夕食を用意しなければなりません。さらに、子どもたちの習い事の送迎もあります。
年齢の異なる4人の子どもたちは、学校も生活時間もそれぞれ違います。送迎や学校への対応だけでも、毎日かなりの時間がかかるそうです。
家事の途中で赤ちゃんのお世話「全てが中途半端に」
専業主夫になり、とっしーさんが最も大変だと感じたのは、家事や育児の量だけではありませんでした。
食事を作っている途中、掃除をしている途中、洗濯物に手を伸ばしたところで、次男のお世話が必要になります。家事はそのたびに途切れ、少し進めては止まり、また始めては止まることの繰り返しです。
「家事が途切れ途切れになり、全てが中途半端に……。一日、何をやっていたのか?となる」
投稿では、以前の自分は、そのような過程を知らなかったため「終わっていないところ」だけを見ていたと振り返りました。しかし、自分が実際に担ってみて、何も終わっていないように見える日も、決して何もしていなかったわけではないと気づいたそうです。
専業主夫になる前と後で、家事や育児の大変さに対する見方は「180度変わった」といいます。
目に見える成果が残っていなくても、その間には授乳や抱っこ、子どもの対応など、数え切れないほどの“中断”があります。家事や育児を担う人が感じてきた言葉にしにくい苦労を、当事者となって初めて理解できたのでした。
「20年の時を経て、あの頃の自分が救われた」
投稿には、子育てを経験した人たちから多くの共感が寄せられました。
「24時間では足りない」「小さい子どもがいると、ただ生きるだけでも大変」といった声のほか、「当たり前のことすぎて、どう表現すればいいのか分からなかったのでスッキリした」というコメントも。
さらに、子育て中に家事をうまくこなせない自分を責めていたという人からは、「20年の時を経て、あの頃の自分が救われた気がします」との声も届きました。
ここまで大きな反響が寄せられるとは、本人も予想していなかったそうです。
「男性が発信することで、多少のフックが掛かっているとは思いますが、びっくりしています。それぞれの家庭や家族の環境は違っても、思っていることや感じていることは近しいのかなと思います」
最後に、とっしーさんは、親として大切にしている思いを語りました。
「子どもたちが自立した際に、『この家に生まれて良かった』と感じてもらえるよう、一生懸命頑張っていくことが親の使命だと伝えたいです」
終わらなかった家事の裏側にも、その日、家族のために動き続けた時間があります。とっしーさんの言葉は、今まさに家事や育児に追われる人だけでなく、かつて「何もできなかった」と自分を責めた人の心にも届いています。