tl_bnr_land

部下に仕事をお願いするのを、やめた理由「期待できない」 AI頼みになった上司「AIは文句を言わない。黙って、人間以上の量をこなす」……今後大事なのは?【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

AIが身近になりつつある今、これまで以上に「人間の価値」が重視されているかもしれません。そんなAI時代における人柄の大切さを描いた作品『AIは人との向き合い方までは補ってくれない』(作:長さん)が、X(旧Twitter)で注目を集めています。

主人公はモットーを「逃げ切り」とする50代の管理職・長さんです。穏やかな表情とは裏腹に、辛辣な心の声を漏らしながら働いています。

ある日、マーケティング担当役員から、商品別の採算状況をまとめた資料を依頼されます。彼はコンサル会社から転籍してきた40代で、髭にVネックシャツという新しいタイプの人物です。

彼が、この資料を依頼してきたのは数字に厳しい専務だと言ったため、長さんは現在のざっくりと状況が分かる資料を、より情報量の多いものに仕上げる必要があると考えました。

そこで部下に協力を求めますが、内心では「こいつらでは結果に期待できない」と考え、試験導入中のAIエージェントを使うことに。「AIは文句を言わない。黙って、人間以上の量をこなす」と語る長さんは、AIによって作業者、管理者、さらには経営者まで置き換えられていく未来を想像します。

出来上がった資料はマーケティング担当役員にも好評です。この結果から長さんは、AI時代に重要になるものは「一緒に仕事をしたい」と思われることで、能力不足はAIが補えても、人との向き合い方までは補えないと考えるのでした。

読者からは「簡単に作った資料の到達点がヒゲVじゃなく専務と知った時に焦って全力で資料作り直す感じに共感しかない」「現場を見て体感している人でないと理解できそうにない毒が散りばめられていて凄い」などの声があがっています。そんな同作について、作者の長さんに話を聞きました。

AIによって個人でできることが増えるほど、人柄や日頃の向き合い方が重要に

ー 同作を描かれたきっかけを教えてください。

特定の出来事がきっかけというよりも、日々の仕事の中で感じてきたことの蓄積から生まれた作品です。「AIが能力の差を埋めるほど、逆に人柄の差が目立つようになるのではないか」という感覚が出発点でした。

職場では、正しい指示を出したり、質の高い資料を作ったりするだけで、人が思いどおりに動いてくれるとは限りません。

AIは知識や作業能力を補ってくれますが、「この人のためなら動こう」「この人とは一緒に仕事をしたい」という信頼までは代替してくれません。むしろ、AIによって個人でできることが増えるほど、人柄や日頃の向き合い方が重要になる。その少し皮肉な逆転を描きたいと思いました。

ー長さんというキャラクターを描くうえで意識していることはありますか。

長さんは、正義感で行動する格好いい主人公でも、単なる嫌な人物でもなく、「会社という組織の中で生き延びることに長けた、ごく普通の人」として描いています。

面倒を避けたい、損をしたくない、自分の立場を守りたいという打算があり、相手によって振る舞いを変えるずるさもあります。

表情については、あえて大きく動かしすぎないようにしています。

表向きは穏やかで淡々としているのに、内心ではかなり辛辣なことを考えている。その外面と本音の落差によって、笑いと不穏さが同時に生まれるよう意識しています。

ー同作のように職場の人間関係をリアルに描くために意識していることはありますか。

職場のリアルさは、大きな事件や専門的な業務の説明よりも、「誰がどこで黙るか」「誰の前で言い方を変えるか」「正しい意見なのに、なぜか通らないのはなぜか」といった、小さな振る舞いに宿ると思っています。

そのため、発言の内容だけでなく、その人がなぜその言い方をしたのか、誰の顔色を見ているのか、何を恐れているのかといった背景を考えるようにしています。

また、特定の誰かを告発したり攻撃したりするのではなく、個別の出来事から少し距離を置き、多くの会社や組織に共通する構造を抽象化することも大切にしています。

<長さん関連情報>
▽Ⅹ(旧Twitter)
https://x.com/jtc_ojisan2

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース