「迎えるなら、ご縁に恵まれない子を」――。そんな文言から始まる2匹の猫の動画がInstagramで注目を集めています。
写っているのは茶トラの「ツナ」くん(推定4歳)と、麦わら猫の「メル」ちゃん(推定3歳)。投稿動画では、何度譲渡会に参加してもご縁に恵まれなかった2匹が、「ずっとのお家」に巡り合うまでのストーリーがまとめられています。
保護猫活動をしている投稿者のムチミル(@muchi_milk)さんによると、ツナくんとメルちゃんは1年以上里親が見つからずにいたのだそう。ツナくんは臆病だけどどんな猫にも優しい性格。メルちゃんは軽度の横隔膜ヘルニアで呼吸の仕方が少し特徴的だけど、普通に生活ができ、他の猫たちの面倒をよく見る子です。
「どちらもすごくいい子で、いたずらもしないし、お留守番が得意なんです。その魅力を譲渡会でずっと伝えてきましたが、つながるご縁がなかったんです」
譲渡会で注目が集まるのは子猫が中心。成猫で、さらに臆病だったり病気を持っていたりする子は、なかなかご縁に恵まれにくいのが実情です。
「この子たちが譲渡会に参加する意味はあるんだろうか」--。ムチミルさんがそんな葛藤を抱え始めたころ、2匹の運命を変えるご縁が舞い込みます。
子猫じゃなくて、ご縁に恵まれない子を
ムチミルさんは長野県を中心に活動する保護猫団体「マーマレードキャット(@marmalade_cat_777)」の協力者の一人。同団体では「外猫食堂で みんなさくら耳」を掲げ、外猫へのエサやりを一律に禁止するのではなく、決まった場所で餌を与えながら集まる猫を把握し、不妊・去勢手術につなげる活動を行っています。
そんなマーマレードキャットからある日、「ツナくんとメルちゃんを家族に迎えたいという人がいる」と連絡が入ったそうです。
里親を希望したのは、2匹の犬と暮らすご夫婦。ツナくんとメルちゃんに心を寄せた理由を聞いて、ムチミルさんは胸がいっぱいになりました。
「奥様が保護猫を迎えたいと相談したら、ご主人が『子猫はご縁に恵まれやすいから、うちに迎えるならご縁に恵まれない子にしよう』とおっしゃったそうです。こんなふうに大人の保護猫のことを思ってくださる方がいるんだ…と、とても感動しました」
その後、2週間のトライアルを経て、正式譲渡が決定。トライアル中に「本当にいい子たち。どうしてこれまでご縁がなかったのかわからない」と言ってもらったことが、ムチミルさんの心に深く残っています。
「ずっと『本当にいい子たちなんです』と伝え続けてきたので、それがようやく伝わったことがすごくうれしかったです」
現在は、「ふくまる」くん、「はなまる」ちゃんとして、先輩ワンコたちとのびのび暮らしているというツナくんとメルちゃん。ムチミルさんは、今回の投稿への想いをこう話します。
「猫を迎えるときに、こんな素敵な視点もあることを伝えられたらと思いました。この投稿が、ご縁に恵まれない猫たちと新しい家族をつなぐきっかけになれたらとてもうれしいです」