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ふらつき転びながら必死についてきた子猫…「このままでは生き残れない」と保護 鼠径ヘルニアと脳障害を抱えながらも日々を生きる

鶴野 浩己 鶴野 浩己

「このままでは生き残れないと思った」--。そんなテキストから始まる子猫の保護動画がInstagramで注目を集めています。

投稿したのは、「基本は終生保護。“例外”は信頼だけ」をモットーに保護猫活動を行う「シマラく」(@shimalaku)さん。動画には、ひとりぼっちだった子猫が保護されるまでのいきさつが記録されています。

何度も転びながら必死であとをついてきた

2026年7月、車に忘れ物を取りに行くため、自宅から50mほど離れた駐車場に向かっていたシマラくさん。

そこで出会ったのが、茶白の子猫・あと君です。

2匹の大きな猫に威嚇され、縮こまっていたあと君を見て、シマラくさんは近くに母猫や兄弟猫がいないか捜索を始めました。

するとあと君が、ふらつき何度も転びながら、必死に後を追いかけてきます。そのまま自宅に到着し、シマラくさんが一度家の中に入ろうとしたとき、玄関前であと君が「ミャー!ミャー!」と大きな声で鳴き始めました。

「一瞬私の姿が見えなくなったんだと思います。大きな声で鳴く様子から、ひとりになることへの不安が伝わってきました」

そのとき、玄関からほど近い道路にライトをつけた車が接近。あと君はライトに導かれるように車に向かって歩き始めました。

とっさに道路に出て、手を挙げて車に止まってもらったというシマラくさん。「この子はこのままでは生き残れない。そう判断し、すぐに保護しました」

急いで組み立てたケージの中でバクバクとご飯を食べて、コテンと寝てしまったというあと君。「ずっと後をついてきた姿から『あと』と名付けました」

「まだまだこれからの猫生」治療の道を模索

保護された翌日に動物病院を受診し、あと君は鼠径(そけい)ヘルニアと脳障害を持っていることがわかりました。

鼠径ヘルニアは、足の付け根にある隙間から、お腹の脂肪や臓器が皮膚の下に飛び出す病気。飛び出した臓器が締め付けられると血流が悪くなり、壊死することもあります。

そして脳障害は、あと君のふらつきと聴力に影響。常に頭が揺れていて、食事のときも踏ん張れずにフラフラしていましたが、検査の結果、耳も聞こえていないことが判明しました。

「耳が聞こえないから親兄弟の移動に気づけず置いてけぼりになったのかも?車に向かって行ったのも、聞こえないことが原因だったのかも?診断結果を受けて、この子がひとりぼっちでいた理由が見えてきて…。同時に、あのとき出会えて本当によかったと思いました」

その後鼠径ヘルニアの手術を無事に乗り越え、ハンデがあることを忘れるくらい元気になったあと君。しかし、しばらくすると脳障害からくる神経症状で立ち上がれなくなりました。

「食欲旺盛で遊びたい気持ちでいっぱいなのに、踏ん張れなくて立ち上がれない…。見ていて胸が締め付けられます」

現在はMRI検査を受け、治療方針を模索しているところ。シマラくさんは、不安に押しつぶされそうになりながらも「今が踏ん張りどき」と自身を鼓舞します。

「先住猫に、もうすぐ4歳を迎える水頭症の子がいるんです。1歳を迎えるのは難しいと言われながら、強い生命力を見せてくれている。あと君も乗り越えられるかもしれません」

あと君を救う治療を見つけたいとセカンドオピニオンを受ける一方で、「どんな結果になっても、最後までそばで見守り続ける覚悟もあります」と話すシマラくさん。「でも、まだまだこれからの猫生だと思っています!」と力を込めます。

「私たちの基本方針は終生保護。猫たちが安心して暮らせる場所を守ることを大切にしています。無理に譲渡は進めず、信頼できる方と出会えた時だけ新しい家族へと送り出す。そしてご縁がなければ、シマラくで仲間たちとずっと穏やかに暮らしてもらう。それが私たちの考えです」

あと君のこれからに、仲間たちと過ごす穏やかで楽しい時間がたくさん待っていることを願うばかりです。

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