「お医者さんが頭抱えて『手術しましょう』と言った腹のビフォーアフター」――。そんな言葉とともにXに投稿された、1匹の三毛猫の写真。写っているのは、現在1歳になる「おこげ」ちゃんです。
幼いおこげちゃんの写真を見ると、お腹が大きく右側へ膨らんでいるように見えます。一方、成長した現在の写真では、ふっくらとしたお腹を見せながら気持ちよさそうに寝転ぶ姿が。実はおこげちゃんは、保護された当時「腹壁ヘルニア」を抱えており、その後2度にわたる手術を経験しました。
「亡くなってしまいそう…」と病院へ
飼い主のカワラさん(@hepxcui)が、おこげちゃんを保護したのは2025年7月、生後1カ月ほどのころでした。親猫とはぐれていたところを、飼い主さんの友人が見つけたといいます。
「衰弱した様子から、このまま亡くなるのだろうと看取るために友人が動物病院へ連れて行ったところ、まったくの健康体だったそうです。それで『どうしよう』と連絡があり、我が家で引き取ることになりました」
それまで、飼い主さん夫婦は動物を飼っていませんでした。しかし、夫は以前から「いつか猫と運命的な出会いをしたい」と話していたそう。
「今回がそのときなのだろうと決め、準備を始めました。友人が拾ったのが7月1日。その日の夜からケージやトイレなどを準備して、7月4日に引き取りました」
「おこげ」という名前は、友人から送られてきた写真が「焦げたトーストのようだった」ことから付けたそうです。最初から人懐っこく、トイレもすぐに覚える賢い子でした。
ところが、友人が保護していたころから、おこげちゃんのお腹には異変が現れていました。
「いつの間にか、お腹の中心が下にずれてきていると友人から連絡がありました。引き取った後に病院で診てもらったところ、腹壁ヘルニアと診断されました」
獣医師からは、野良猫として暮らしていた時期にカラスに捕まり、その際に穴が開いた可能性もあると説明されたといいます。
「穴は大人の指3本くらいと大きく、内臓のほとんどが膜の外側に飛び出していたようです。お腹いっぱい食べると、お腹ではなく右太腿がパンパンに膨れたように見えるんです」
当初は成長が安定する生後半年ごろ、避妊手術と一緒に手術をする予定でした。しかし、ヘルニアが悪化したため、生後2カ月半ごろに1度目の再建手術を受けることになりました。その後、避妊手術のタイミングでもう一度、ヘルニアの再建手術を受けています。
400グラムだった子猫が4.5kgに
まだ小さな体で迎えた最初の手術。飼い主さんは、その日のことを今も覚えています。
「まだ2カ月半の小さな子猫だったこともあり、身体への負担や、まひなどのリスクが高く、その日はずっと不安でした。お見舞いに行ったとき、弱々しくも私たちのところへ近寄ってきてくれて。おこげに信頼されているのだと、涙が出そうでした」
退院後に着せた術後服は、一番小さなXSサイズでもブカブカ。飼い主さんが手縫いで小さくして着せました。
「私がテレワークだったので、おこげが目に入る場所で仕事をしていました。甘えたいのか心細いのか、ずっと私の近くから離れようとしませんでした」
そして2度目の手術を迎えたころには、最初の術後服はもう着られないほど体が大きくなっていました。
「おこげの成長の早さを実感するとともに、これが最後になればいいと願っていました」
保護された当時、体重はわずか400g。獣医師からは小柄な猫になるだろうと言われていたそうですが、1歳になった現在は4.5kgにまで成長しました。
「とにかく元気になってよかった、その一言に尽きます。おこげは拾われたときからいい方々に囲まれた、ラッキーキャットだと思っています。拾ってくれた友人は動物に関わる仕事をしているので、初動で適切な対応をしてくれましたし、かかりつけ医の先生も手術からケアまで親身になってくださいました。本当に感謝しています」
体はすっかり大きくなりましたが、飼い主さんによると「中身は子どものまま」。最近は少し自立心が芽生え、ひとりで自由に過ごすことも増えましたが、基本的には夫婦の目に見える場所にいるそうです。
「朝は一緒に寝室からリビングまで行きますし、帰宅すると玄関まで迎えに来てくれます。夫婦2人でいるところには顔を出します。キャットハウスより段ボールが好きで、投げられたヘアゴムをくわえて持ってくる遊びが大好きです」
最近では「猫らしい悪知恵」もついてきたというおこげちゃん。
「日々おこげと攻防を繰り広げながら、これからも成長を見守っていきたいと思っています」
小さな体で2度の手術を乗り越えたおこげちゃん。焦げたトーストのような子猫との「運命的な出会い」は、夫婦の暮らしにすっかり溶け込んでいます。