tl_bnr_land

シルビア&シルエイティの特別仕様車でぜいたくなドリフト体験 Uberが仕掛けた異色ツアー「Uber Drift」を体験してみた

鈴木 博之 鈴木 博之

ドリフトというと、かつては峠や埠頭でタイヤを滑らせる違法走行を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし現在はサーキットで安全に競技として行われ、海外でも人気を集めるモータースポーツとして定着しています。その日本発のドリフトをサーキットで気軽に体験できる企画として、Uber Japanが期間限定で実施したのが「Uber Drift」です。

東京23区内の指定場所からUberプレミアム車両(ヴェルファイアやアルファード)で往復送迎し、プロドライバーによるドリフト同乗体験、ランチまでセットにしたツアーで、料金は1台3万円(税込)。最大4人まで乗車できるため、4人で参加すれば1人あたり7,500円となります。5月27日の予約開始日に枠は埋まり、当初は平日の8日間開催する予定でしたが、台風の影響で1日中止となり、計7日間実施されました。

日本らしい体験を探した結果、たどり着いたのがドリフトだった

この企画は、Uberが世界各国で展開する特別プロジェクト「Go Anywhere」の一環で、アジア太平洋地域では初開催。これまでにも、トルコ・カッパドキアで熱気球に乗る「Uber Balloon」、ギリシャ・ミコノス島のスピードボートツアー「Uber Boat」、南アフリカでの「Uber Safari」、フランス・パリでのシャンパンワイナリーツアー「Uber Bubbles」など、その土地ならではの文化を体験できる企画を実施しています。

日本ではラーメンや寿司、着物の着付けなどさまざまな案が検討されたそうですが、最終的に選ばれたのがドリフトでした。企画を担当したUber Japanの西嶋傑さんは「Uberが送り届けるからこそ、価値を感じてもらえるものは何かを考えた結果、ドリフトになりました。映画『ワイルド・スピード TOKYO DRIFT』は、今でも海外で非常に人気があります。私たちはUberプレミアムで迎えに行き、サーキットまで送り届け、一つの“旅”として成立させたかったんです」と話します。

近年は神奈川県の大黒パーキングエリアや、渋谷周辺に集まる日本車を目当てに、多くの外国人観光客が訪れています。アニメや寿司だけでなく、日本のカーカルチャーも、訪日客にとって大きな観光コンテンツになっているのです。

予約はUberアプリでヴェルファイアに乗ってサーキットへ

予約はUberアプリを開いてホーム画面にある「Uber Drift」のアイコンを選択し、ピックアップ場所を指定して完了。渋谷まで迎えに来たのは、Uberプレミアム車両で使用されているトヨタ・ヴェルファイア。車内はオットマン付きのVIPシートで、広々とした空間の中、アクアラインを経由して90分ほどで千葉にある茂原ツインサーキットに到着。通常なら都内からタクシーで片道4万円ほどかかる距離ですが、移動そのものがサービスの一部になっている点も、この企画ならではです。

サーキットへ到着すると、まずヘルメット、インナーフード、Uberロゴ入りジャケットが貸し出されます。装備はすべて用意されているため、半袖でも参加できます。スマートフォンやアクションカメラによる撮影も可能ですが、激しい横Gがかかるため、落下防止用のストラップは必須です。

プロドライバーが操る競技車両で1日14本のタイヤを消耗

ドライバーを担当したのは、Formula Drift Japanで活躍するプロドライバーのユキオ・ファウスト選手(31)と、チームのメカニックを務める樽見京一選手(37)。今回の目玉は、単走ではなく2台のマシンが同時に走行する追走です。2人は、ヘルメットのインカムで会話しながら走行します。「レースと違って相手に勝つのではなく、協力した走りが大事」とユキオ選手が語るように、オーバースピードやラインのズレ、スピンの予兆などをお互いに瞬時に伝え合うことで、安全を確保しながら極限まで近づく超至近距離の追走を可能にしています。

使用したマシンは、350馬力の日産シルビアS15と320馬力のシルエイティ(シルビアS13のフロントを移植した180SX)の2台。ともに1998年式で、ユキオ選手がエビスサーキットで開催していたドリフトスクールで使用していたマシン。どちらもナンバーの付かない競技専用車で、ロールケージを組み込み、不要な内装は取り外して軽量化された本格的なドリフト仕様。鮮やかなクロームパープルのボディはUber Driftのためだけに製作された特別仕様で、海外製カーラッピングは高価で施工できる業者も限られるといいます。フルバケットシートですが、助手席のみ一般的な3点式シートベルトでした。

今回は、東コースに設けられた特設レイアウトを使用。最終コーナーからストレート、1〜2コーナーへと続く区間を中心にドリフト走行します。

1回走行すると車両の順番を入れ替えるため、先行車と追走車の両方を体験できます。2周したらピットに戻り、タイヤの空気圧や摩耗をチェック。タイヤは1日に約14本交換するそうです。「レースと違ってタイヤをセーブする必要がないので、思い切り使えます」とユキオ選手。連続走行はマシンだけでなく、ドライバーや同乗走行者にも負担がかかるため、午前と午後に分けて走行します。

「移動」を売るUberだから実現できた体験

参加した70人の内訳を見ると、外国人が約8割で国籍は中国、台湾、韓国、アメリカ、エクアドル、スウェーデンなど多彩。年齢は20〜30代で、男女比は男性6割、女性4割でした。

日本ではUber Eatsのイメージが強いUberですが、現在は配車サービスも急速に拡大しています。西嶋さんによると、2025年初めには18都道府県だったサービスエリアは、2025年末には全国47都道府県へ拡大したといいます。その配車サービスの価値を伝える手段として、「目的地へ運ぶ」だけではない企画を、今後も展開していく考えです。日本発祥のドリフト文化を「目的地」ではなく「移動」と組み合わせ、新しい体験へ変えたUber。配車サービスだからこそ実現できた、少し意外で、少しぜいたくな期間限定イベントでした。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース