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「こうさかと読みます」と本人がアナウンス 朝ドラ主演の上坂樹里が「うえさか」でも「かみさか」でもない背景を深掘り

森岡 浩 森岡 浩

日本の近代看護の礎を築いた大関和と鈴木雅をモデルにしたNHKの連続テレビ小説「風、薫る」。主人公の一人、大家直美を演じているのが上坂樹里だ。名字の「上坂」は、「こうさか」と読む。本人がXアカウントのプロフィルに「こうさかと読みます。」とわざわざ書いているほどなので、珍しい読み方だと感じた人も多いのではないだろうか。

「上坂」という名字のルーツは文字通り「上の坂」。「坂」という言葉は古くは峠のことを指したので、いくつか続く峠のうち、上の方にある峠が「上坂」である。

さて、「上」で始まる名字は、「うえ~」と「かみ~」に読み方が分かれるものが多い。「上田」や「上野」は圧倒的に「うえ~」が多いが、「上村」「上山」「上島」などは、地域によって読み方が「うえ~」と「かみ~」に分かれている。

また「うえ~」が変化した「うわ~」や、「かみ~」が変化した「かん~」という読み方もある。そして、多くは関西では「うえ~」が多く、関東では「かみ~」が多いという分布になっている。

そうした中、「上坂」は関西では「うえさか」が圧倒的に多いだけでなく、関東でも「うえさか」が半数以上を占めるなど、全国的に「うえ」という読み方が多い名字である。ただし滋賀県では9割以上が「こうさか」と読むほか、富山県や長野県でも「こうさか」が最多で、他の「上~」名字とは少し違う分布となっている。

実は「こうさか」が集中している滋賀県では、古くから上坂(こうさか)氏がいた。ルーツとなったのは近江国坂田郡上坂、現在の滋賀県長浜市上坂で、上坂城に拠って、室町時代は守護京極氏の重臣であった。戦国時代には浅井氏の家臣となっている。

全国を合計すると、60%近くが「うえさか」と読み、25%が「かみさか」である。「こうさか」は15%前後で、滋賀県と富山県を中心に関西から北陸にかけて集中している。なお、滋賀県長浜市の地名は「こうざか」と濁るのが正しい。

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