YouTubeでお父さんへの“お説教”で5歳のときに話題になったりおなちゃんも、今は9歳に。
先天性の骨系統疾患の疑いがあり、受けた側弯症の手術で下半身麻痺となり、車椅子での生活を送っている今も、楽しいおしゃべり、日々の生活やリハビリする姿などを発信し続けています。
そして、今年6月に「社会に好循環をおこす傑出した若者」を表彰する『JCI JAPAN TOYP2026』(※1、以下 TOYP)の20歳未満対象のSEED部門で準グランプリを受賞する快挙。
りおなちゃんとりおなちゃんママに、今回の受賞、リハビリに励む現状、これからの抱負などを取材しました。
最年少ファイナリストに選ばれた!
ビジネスや医療、環境、国際協力、地方創生などで社会に大きなインパクトを与える傑出した若者(=すごい若者)を発掘し、さらなる飛躍を支えることを目的とするTOYP(※1)。
当初はTOYPの活動について知らなかったそうで、りおなちゃんママは、「世の中には使命感を持って、社会的課題の解決に取り組んでいる人がいっぱいいらっしゃいます。そんな人たちと肩を並べる場に娘が行くのはどうかな?まだ難しいんじゃないかな?」と迷いもあったそう。
しかし、りおなちゃんは「エントリーするかしないか、一瞬迷ったけど、自分が思ってることを伝えられるチャンスかなと思った」と挑戦を決意。普段からSNSや取材を通して自分の思いは伝えていますが、組織や表彰制度に対して気持ちを表明することには重みを感じたそうです。
ママの手助けを得つつも、自分で記入したエントリーシートでの書類審査、審査委員や一般投票による2次審査を経て、最終選考に進む知らせを受けたのは5月初旬。
「すごい嬉しかった!たくさんの人の助けがあって、ここまで来ているので、まわりの人への感謝の気持ちでいっぱいでした」。
ファイナリストプレゼンテーションに向けて、動画撮影やプレゼン資料の作成を行っていきました。普段のYouTubeやインスタでは、変顔やおもしろいツッコミも魅力のひとつですが、今回はあえて封印。
「これはすごい真面目な話やなと思って。動画を撮る時もふざけようなんて気持ちはまったくなかったです。真面目なりおなでいこうと決めてました。
YouTubeではいっぱい話すけど、提出する動画は3分間編集なしやから、むっちゃ難しくて苦戦しました。何言うか考えてから動画を撮っても途中で噛んだりして、何回も撮りなおしました。プレゼン資料のスライドは、Canvaやパワポを使ったけど、内容の骨組みは私が考えて、操作がわからんところはママにやってもらいました」
人生初経験に「できた!とあかん!がごちゃまぜ」
ファイナリストたちが集う最終選考会では、登壇してスピーチもおこないました。
「みんなすごくて。会社作ってるみたいな、すごすぎる人しかいないから、私がここに立ってええんかなって。やばい、やばいしか頭の中になかった。
プレゼンは人生で初めて!聞いているのは100人ぐらい、ほとんどが大人の人で、めっちゃ緊張した!今までしたことのない緊張!」
話すまでは不安や心配、焦りがあったそうですが、「話し出したら自分の感情とか思いが言葉にうまく乗ったと思う」と話します。
時間制限がある中で人の役に立ちたいため、人を元気にしたいためにYouTube活動を行なっていることをスピーチ。しかし、質疑応答には悔いが残ったところも。
「質問に対して丁寧に答えればよかったのに、これも時間制限があったから焦ってしまって、大事な部分を省いて、簡単に答えてしまった……」。
そんなこともあって、受賞結果がわかるまでの約1ヶ月半は、「いけた!」と思う時と「やっぱあかんかも」と感じる時が交互に訪れる時間を過ごしました。
「世の中にはたくさんの課題があることも知った」
そして、6月21日に迎えた表彰式。大勢の人が見守る会場で、「準グランプリは……りおな様です」と呼ばれた瞬間、大きな目をさらに大きくしてびっくりした表情に!
「まさか準グランプリなんてすごい賞をいただけると思っていなかったので驚いています。嬉しさと、周りへの感謝の気持ちでいっぱいです!」
りおなちゃんママも、「まずは素晴らしい賞をいただけて良かったね、お疲れ様という気持ちです。我が子ながら娘の挑戦を称えたいです」と話します。
りおなちゃん自身もたくさんの刺激を受けました。「世の中にはたくさんの課題があることも知ったし、若い世代で頑張っている人がたくさんいることも分かって、自分はまだまだだなと思いました。これからも自分の活動の幅を広げて頑張っていきたい思いが強くなりました」と話します。
「人の役に立ちたい」がすべての活動の原動力
YouTubeチャンネル「ちいりおちゃんねる」などSNSでの発信は、「少しでも生きやすい世界を」との両親の思いと「YouTuberになりたい」というりおなちゃんの夢を叶え、スタートさせたものでした。
そんな、りおなちゃんがYouTubeの動画内でたびたび口にしているのが、「バリキャリ女社長になる」。
その根底には「人の役に立ちたい」があります。今はまだ9歳だから、何をするか具体的には決まっておらず、勉強したり、本を読んだり、人に会ったりなどの経験を重ねて、自分がやりたいこととできることの中から、自分なりの「人の役に立つ」を実現していくつもり。
YouTube動画内での質問「魔法が使えたら何に使う?」に対して、「歩けるようになることに使う」ではなく、「人の役に立つことのために使う」と即答したのも、常に「人の役に立つ」ことについて考えているからです。
今後の抱負のひとつが、みんなに会えるイベント。人の役に立つことや元気を届けることを集まった人たちと共有したい、伝え合いたいという思いが芽生えています。
「いつか歩けるその日」のためにあきらめない
歩けなくなって4年の月日が過ぎました。身長が98cmになった頃、「大人になってもみんなと同じようには背が伸びない」と言われていましたが、今はリハビリなどの効果もあってか身長が106.8cmに。歩けなくなった当初は、「リハビリを頑張れば、1年ぐらいで歩けるようになるかも」と祈りにも似た期待をりおなちゃんも家族も持っていました。
しかし、リハビリに向き合う中で「そんなに簡単なものではない」とわかってきました。
「やっぱりもう何年だとか、節目が来ると焦ります」とりおなちゃんママ。
「娘の脚となってあげよう どんな治療も受けさせてやろう 悲しい思いをさせたくないと思ってここまで来たけど、娘の悩んでいることや今望んでいることが、親の私にはどうしてやることも出来ない内容になってきた」と苦しい胸の内をインスタグラムで明かしています。
「友達同士で遊びに行った」や、「ダンスを習っている」「公園で遊んだ」などりおなちゃんの友達の話を聞くと、「これまで私がしてきた娘の羨ましがるであろう体験を全部あげられたらいいのに」という思いにとらわれます。
リハビリに取り組みはじめた頃は、「早く歩けるように」とがむしゃらにやりすぎたこともありましたが、りおなちゃんにとってすっかり日常の一部に。
「今は新しいリハビリをやるっていうより、ちょっとレベルを上げるって感じ。例えば、一年前ぐらいからハイハイの練習をしてるけど、前はスピードが遅かった。倒れたり、フラフラしたり、足がうまく出んかったりした時もあったけど、今はスピードが上がってきた。
バランスの調整もできるようになって、自分でもレベルが上がってるって感じてます」(りおなちゃん)
そんな姿を見守り、家族とともにサポートし続けるりおなちゃんママ。
「すぐ結果が出るものじゃないから。自分の決めたことを継続して、いい付き合い方になってきていると思います。一生懸命取り組む気持ちは変わらず、本人のルーティンの一つになって、今日やると決めた分はやるってことを継続しています。
劇的な奇跡を願う気持ちもありますが、それよりは医学や技術の進歩で歩けるようになった時のために、足の筋肉をちゃんと維持しておきたいし、機能を保ってあげたい。長い目で見ないといけないなと思います」(りおなちゃんママ)
「歩く」ことについて「あきらめるって辛い。あきらめることは苦しいので、あきらめることはありません」とりおなちゃんとりおなちゃんママ。
取材の最後を締め括ったりおなちゃんの言葉は前向きで力強いものでした。
「これからもリハビリやYouTubeなどいろんな面を頑張っていきたいなって思ってます。応援してくれるみなさんと一緒にいれたらいいなと思ってます」
※1 JCI JAPAN(公益社団法人日本青年会議所)が実施。起源であるTOYMは1938年に米国青年会議所からはじまり、Ten Outstanding Young Men=10人の傑出した若者たちの略語。日本では1987年からTOYP大賞として事業をスタート(注:賞の正式名称は複数回変化)。表彰制度は青年版国民栄誉賞とも呼ばれています。
■YouTubeチャンネル ちいりおちゃんねる https://www.youtube.com/@chiirio
■Instagram https://www.instagram.com/riona3710