人手不足や年功序列の見直しが進む中、「年下の上司」をもつミドル・シニア世代が急増しています。株式会社マイナビ(東京都千代田区)が実施した「ミドル・シニアのアルバイトと年下上司」に関する調査によると、「直属の上司が年下」という回答が4割以上を占め、フラットに接しやすいメリットがある一方、特に「就職氷河期世代」においては、コミュニケーションの難しさや評価への納得感に大きな課題があることが浮き彫りになりました。
調査は、現在アルバイトで生計を立てている(アルバイト週5日以上勤務で被扶養者ではない人/主婦を除く)全国の40~65歳男女569人を対象として、2026年2月~3月の期間にインターネットで実施されました。なお、本調査では年齢差が5歳以上を年上/年下としています。
調査の結果、現在アルバイトで生計を立てている40~65歳のうち、42.4%が「直属の上司が自身よりも5歳以上年下」であると回答しました。
この傾向は年齢が上がるほど顕著になり、40代では年下上司の割合が比較的低いものの、50代に入ると51.8%に達し、年上上司(34.1%)の比率が逆転。
背景として、従来の年功序列型から役割やスキルを重視するマネジメントへのシフトや、若手世代への管理職登用が進んでいることが示唆されました。
「年下上司をもつことによるポジティブな側面」としては、「話しやすく、相談しやすかった」(32.5%)が最多に。特に次点の「過度に気を遣わずに接することができた」(23.8%)では、年上上司をもつ場合と比較して9.3ptも高くなっており、年齢差による過度な緊張が和らぎ、フラットに接しやすい関係が築かれていることがうかがえます。
一方で、「仕事の進め方や判断が適切だった」(10.5%)や「別の経験や価値観を知ることができた」(8.9%)といった業務の判断力や経験値といったスキル面への評価は1割程度に留まり、マネジメント能力の育成という点において課題も残されています。
その反面、全体の37.9%が「年下上司に対して不満を持ったことがある」と回答しており、具体的な不満の内容としては、「距離感がつかみにくかった」(12.7%)、「価値観や働き方の考えにズレを感じた」(10.2%)、「コミュニケーションの調子が合わなかった」(10.0%)が挙げられました。
世代別に見ると、特に40〜55歳の「就職氷河期世代」において不満の割合が高く、「距離感がつかみにくかった」(氷河期世代 15.0%、バブル世代9.5%)、「話しかけづらく、相談しにくいと感じた」(同12.3%、5.9%)、「遠慮ややりづらさが生まれた」(同8.4%、2.7%)では56〜65歳の「バブル世代」よりも5pt以上高くなっており、キャリアの形成期に厳しい環境を過ごした氷河期世代は、年下の上司に対して心理的な距離を空けやすい傾向が見られました。
さらに深刻なのは、評価に対する受け止め方です。
年下上司をもつ人は、年上上司をもつ人と比べて「現在の職場で自分の働きぶりが認められていると思う」と回答した割合が低い結果となりました。
特に氷河期世代においては、「認められていると思う」と答えた割合が59.4%に留まり、年上上司がいる場合と比べて8.5ptも低下。
これは、年下上司とミドル・シニア部下との間で十分なフィードバックが行われていない可能性を示唆しています。氷河期世代特有の「遠慮」や「相談しにくさ」が円滑なコミュニケーションを阻害し、最終的に「正当に評価されていないのではないか」という納得感の低下へ繋がっていると考えられます。
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調査を実施した同社は、「今後はフラットさを活かしつつ、評価を明確化して納得感を高める取り組みが求められます。年齢にとらわれない相互理解と適切なコミュニケーションのある職場環境が、多世代が満足感を持って働き続けられる職場づくりに繋がるでしょう」と述べています。