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ラトビアのスイーツ「ナポレオン」って知ってる? ラトビア人が熱弁する「おばあちゃんの味」とは?

椎名 碧 椎名 碧

「日本の皆さんに、東ヨーロッパとバルト三国で最も愛されているケーキを紹介します。🍰
その名も『ナポレオン』。
子供の頃から食べてきた、僕たちの魂のデザートです。
薄いパイ生地を何層も重ねて、その間にたっぷりのカスタードクリームをじっくり染み込ませる。一口食べると——サクサクとしっとりが同時に口の中に広がる。
甘すぎず、でも深い味わいで、気づいたら止まらなくなっている。😋
正直、このケーキの前では意志の力など無意味です。
ヨーロッパを旅する機会があれば、必ず食べてみてください。
後悔は絶対にしません。🇱🇻」

こんなポストをされたのは、ラトビア人ロマン🇱🇻(@Roman_of_Spades)さん。

東ヨーロッパとバルト三国で愛され続けてきた伝統菓子「ナポレオン」を、日本のフォロワーに向けて紹介した投稿です。

薄いパイ生地とカスタードクリームが何層にも重なる様子が写真からも伝わり、思わずひとくち食べてみたくなるような一枚となっています。

「これは絶対美味しいやつ」 
「ミルフィーユみたいで好き」
「ラトビア行きたくなった」 
「日本でも食べられるお店ないかな」

投稿にはさまざまな声が。そこでナポレオンを紹介されたラトビア人ロマン🇱🇻さんにお話を伺いました。

ラトビア人のロマンさんに話を聞いた

――まず、ロマンさんご自身について教えてください!

「こんにちは!私の名前はロマンと申します。2023年からラトビアに住んでいます。ラトビアは私の先祖の故郷です。実は、私の祖父はリガ出身のラトビア人で、祖母はブルガリア出身でした。

当時、二人の両親は結婚に大反対したのですが、二人は深く愛し合っており、周囲の反対を押し切って結婚しました。

そのため親から勘当されてしまい、ウクライナのマリウポリという街に移り住んだのです。そこで私の母が生まれ、のちに私も生まれました。

2017年、私はクルーズ客船の船乗りになり、ウクライナを離れました。世界中を旅しながら、国際的な経験を積んでいきました。

2022年の2月初旬、両親に会うためにウクライナのマリウポリに戻ったのですが、その直後に戦争が始まってしまいました。私はすぐに両親を連れて安全な場所へと避難させ、現在、両親はノルウェーで暮らしています。

その後、私はラトビア出身の女性と出会って恋に落ち、私たちは結婚して、2023年からラトビアでの生活を始めました。

これはきっと運命なのだと思います。私の祖父アレクサンドルは、かつて『愛のために』ラトビアを離れましたが、私は『妻への愛のために』ラトビアにやってきたのですから。

普段はさまざまなコンテンツを投稿していますが、特に料理やグルメ、そして旅をすることが大好きです。日本への興味は、ずっと昔から私の心の中にありました。2018年、私は海外にある有名な和食フュージョンレストラン『NOBU』で1年間働いていました。

当時はウェイターの実習生として必死に学び、200種類以上のメニューを覚え、日本料理の奥深さや素晴らしさを知りました。

その後、再びクルーズ船の仕事に戻りましたが、その時から日本という国、そして私が出会ったとても親切な日本の方々のことが大好きになりました。それ以来、日本の文化に関心を持つようになり、日本の映画やアニメを観るようにもなりました。

そして最近のことですが、2〜3ヶ月ほど前にX(旧Twitter)でイーロン・マスク氏がタイムラインの自動翻訳機能を導入しました。すると、日本からの読者の方々が私の投稿にものすごい関心を持ってくださっていることに気づいたのです。

わずか1ヶ月の間に、私の投稿を読んでくださる方の約70%が日本の皆さんになり、現在ではなんと95%を占めるまでになりました。日本の皆さんが私の投稿を温かく見守ってくださるのが本当に嬉しいですし、私も読者の皆さんのことが心から大好きです!😊」

「ナポレオン」とは、どんなケーキ?

――今回ご紹介いただいた「ナポレオン」について、改めてどんなケーキなのか教えてください!

「『ナポレオンケーキ』は、子供の頃に祖母がよく作ってくれた思い出のデザートです。祖母はブルガリア出身でしたが、このレシピは東ヨーロッパだけでなく、バルカン半島にいたるまで広く親しまれています。一見すると作るのが難しそうに見えますが、実は思ったよりもシンプルです。

大切なのは、薄いパイ生地を何層にも焼き上げること。通常は10層、あるいはそれ以上の層を重ねていきます。層の間には、伝統的なサワークリームのクリームやカスタードクリームを挟みます。

東ヨーロッパやバルト三国の人々にとって、ナポレオンはまさに『おばあちゃんや母の手作りの味』であり、家族が集まる特別な日には欠かせない、世代を超えて愛されている定番の存在です」

――「子供の頃から食べてきた、僕たちの魂のデザート」とのことですが、ナポレオンにまつわる思い出のエピソードがあれば教えてください!

「はい、ナポレオンにはたくさんの温かい思い出があります。

遥か昔、私が学生だった1996年から2006年頃のことですが、毎年夏休みになるたびに、祖母がいつもこのケーキを焼いてくれたんです。私にとって夏休みの最高の楽しみでした。

私はまもなく、今年の6月20日で37歳になりますが、今でもこのケーキが本当に大好きです。大人になってから色々な場所でナポレオンケーキを食べてきましたが、やはり私の記憶の中にある『祖母の手作りの味』が、今でも世界で一番美味しかったなと感じています」

ナポレオンケーキは祖母の味

――ナポレオンは家庭で作られることが多いのでしょうか?それともお店で買うのでしょうか?

「ナポレオンケーキは、やはり家庭で作られることが一番多いです。ラトビアの『Rimi(リミ)』や『Lidl(リドル)』といったスーパーマーケットでも見かけますが、市販のものは私が記憶している本来の味とは少し違いますね。

ただ、私たちが週末によく訪れる『ユールマラ』という街のレストランでは、とても素晴らしいナポレオンケーキを提供してくれます。そのため、妻と少なくとも月に一度はそこへ足を運び、温かい紅茶を飲みながらケーキを1ピース楽しむのが恒例になっています。

ちなみに、以前フランスを訪れた際、現地には『ミルフィーユ』と呼ばれるフランス版のナポレオンケーキがあることを知りました。ただ、私個人の感覚としては、これらは食感も味わいもまったく異なる別物のケーキのように感じられました」

――今回の投稿に、大きな反響がありました!

「はい、このナポレオンケーキの投稿には本当にたくさんの反響をいただき、皆さんに心から感謝しています!

温かいコメントを一つひとつ大切に読んでいますし、私たちの地域のデザートをこれほど多くの方に気に入っていただけて、本当に嬉しいです。もしできるなら、このたくさんの反響を私の祖母にも見せてあげたかったです。きっと自分のことのように大喜びしてくれたと思います。今でも祖母のことが恋しくてたまりません。

また、特に印象に残っているのは、投稿から数日経った頃から、何十人もの方々が『自分でナポレオンケーキを作ってみました!』と、手作りの写真を送ってくださるようになったことです。皆さん本当に上手に作られていて驚きました!

いつの日か、日本でもこのナポレオンケーキが定番のデザートとして、お店に並ぶようになったら素敵だなと思っています」

――ナポレオン以外にも、ラトビアや東ヨーロッパ・バルト三国で「これはぜひ日本の人に食べてほしい!」というおすすめの料理やデザートはありますか?

「はい、もちろんたくさんあります!

その中でも、日本の皆さんにぜひ一度味わっていただきたいのが、『モザイク・ゼリーケーキ(トルト・モザイカ)』です。個人的に、これまで食べたスイーツの中でもトップクラスに美味しい、大好物のひとつです。カットした時の断面がモザイク模様のようで非常に美しく、味も絶品です。

イタリアの『パンナコッタ』に少し似ているのですが、ベースとなる白いなめらかなミルクムースの中に、色とりどりの四角いカラフルなゼリーが宝石のように散りばめられています。もしラトビアやこの地域にお越しの際は、ぜひこの美しくて美味しいケーキを食べてみてください!」

最後に、ラトビア人ロマン🇱🇻さんは「日本の読者の皆さん、そして友人の皆さん、いつも私の投稿を読んでくださり本当にありがとうございます。

皆さんの温かいリアクションが、私にとって『もっとたくさんのことを発信したい!』という大きな原動力になっています。

皆さんのおかげで、新しく素晴らしい友人たちにたくさん出会うことができ、これからも色々なことを共有していきたいという気持ちでいっぱいです。今では、日本のことが以前よりももっともっと大好きになりました!

今回のナポレオンケーキをきっかけに、私たちの地域の文化に少しでも興味を持っていただけたら幸せです。これからもどうぞよろしくお願いします。読んでくださり、本当にありがとうございました!」と話してくれました。

戦争で故郷を離れた家族の歴史と、祖母が焼いてくれたナポレオンケーキの思い出——一切れのケーキの向こうに、ロマンさんの歩んできた人生の重みが静かに伝わってきますね。

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