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超上空で夫婦の修羅場&サバイバル 熱気球パニック映画「タービュランス」の監督は高所恐怖症 「話を聞いた熱気球会社から変人扱いされたよ」

石井 隼人 石井 隼人

金持ちゲス男とストーカー系不倫女が殺し合う。そんな熱気球、空の旅。

よくぞこんな設定を考えたものだ。

7月10日公開の『タービュランス 絶空16000フィート』。95分の本編のうち75%がMAX4800メートルの高所シーンで占められている。ただ予算の問題&監督が高所恐怖症という事で、撮影はすべてスタジオ(地上)処理。CG技術フル活用で、イタリアの世界遺産ドロミーティ山脈を一望する空からの絶景をクリエイトした。

熱気球会社全否定

脚本&プロデュースに名を連ねるアンディ・メイソンは、これまで『海底47m』『海上48hours ―悪夢のバカンス―』『エア・ロック 海底緊急避難所』などを手掛けており、陸地に上がるのが嫌いなご様子。監督のクラウディオ・ファエは『インビジブル2』『山猫は眠らない7 狙撃手の血統』などと邦題に数字を入れられがちなザ・職人監督だ。

B級映画かよ!?と侮るなかれ。これがなかなか面白いし、みんな真剣だ。

「本編の75%が熱気球の上で展開する…。そんな映画、本作において他にないだろう?何故ならば、本物の熱気球を飛ばしてバスケット内で撮影するなんて超危ないし狂気の沙汰だから。幸いにして俺は高所恐怖症。スタジオで撮影が出来て心底ホッとしたよ」

100年以上続く映画史の中で唯一無二のパニック映画になったと胸を張るのは、クラウディオ監督だ。

「熱気球の狭いバスケット内という密室を舞台にした、たった4人だけのドラマだ。並行して進むサブプロットなんてありゃしない。これら制限を自らに課しながら、映画監督としていかに魅力的かつ観客を喜ばせる作品にする事が出来るのか。それが最大の挑戦だった」

ストイックなマインドで製作に向き合ったクラウディオ監督は、脚本を受け取ってすぐに熱気球会社の門を叩いた。さすが、職人。フットワークは軽い。

「熱気球のパイロットや設計者など、ありとあらゆる人に会って取材を重ねた。劇中で様々に起こる危険やトラブルについて専門家としての意見を聞いた。ところが『そんなことは絶対にありえない』と全否定さ。でも俺は何度も尋ねた。『違うんだ、聞いてくれて!火事が起きたらどうなる!?パイロットが落下したら!?穴が開いたら!?岩山に激突したら!?頼むから教えてくれよ~!』ってね」

日本でヒットしたらパート2

熱気球会社から変人扱いされながらも必死に食い下がった。その原動力は、映画館で本作を鑑賞してくれる観客たちの存在にある。

「熱気球パイロットの手引き書も読んでわかった事は、熱気球は極めて安全ということ。でも俺は万が一のトラブルの際に何が起こりえるのか、その可能性を知る必要があった。信憑性を損なわない範囲で真実を捻じ曲げつつも、映画を観てくれる人たちが『熱気球ってそういうものなんだあ』と納得し、ハラハラドキドキの作品世界に没入できる演出を施したかったからね」

日本の観客に向けては、臨場感を体験して欲しいと切に願う。

「どのタイミングで外側からバスケットの内側へとカメラを入れるべきか。どの人物にカメラを向けてどの視点で物語を語るべきか。そしてこれまで観客の皆さんが一度も見たことのないアングルとは一体どこにあるのか。ショット一つ一つにこだわった。冒頭からクライマックスまで集中を途切れさせないように設計したつもりさ」

「世界で一番熱気球に詳しい映画監督」と自負するクラウディオ監督。早くも続編製作に興味津々だ。

「日本でヒットすれば、ハリウッド映画あるあるで続編製作の可能性も出てくるだろう。熱気球についてはずいぶんリサーチしたから、今では俺もある種の専門家だ。パート2では実際に熱気球を飛ばして俺が操縦士兼監督という役割もいけそうだな。ガッハッハ」

……監督、あ、あなたは高所恐怖症では!?

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