昔のホストクラブといえば、お金を持て余したマダムや芸能人の秘密の遊び場でした。それが気づくと若い女性たちの娯楽へと変化し、担当(指名ホストのこと)を熱量高めに応援すべく無理をして通うお客さんが続出したのです。
太客(毎回高額の支払いをしてくれるお客さんのこと)の多くが風俗業で「鬼出勤」と呼ばれる過密スケジュールをこなし、月数百万をホストクラブに突っ込むケースが多発していました。この太客のパワーは凄まじく、風俗店の地方出稼ぎを数カ月間繰り返す猛者も存在します。
しかし、そんなホスト業界にも変化が起きています。YouTubeやTikTokの影響でお客さんの中から鬼出勤ホス狂いが減りつつあるのだとか。その理由はやはり風俗店の客入りの悪さや、新たな客層の変化などが関係するそうです。
風俗は稼げない?鬼出勤の限界
風俗はマンツー接客のため、接客人数×バック=1日の稼ぎという仕組み。飲み屋のように指名卓を被せて同時に売り上げを作るやり方は不可能であるため、とにかく本数勝負です。
例え2時間5万円の高バックだったとしても、日給20万円が欲しければ4名を接客しなければなりません。4名分の接客時間を考えると最低でも8時間以上の勤務がマストで、短時間でパパッと稼げないのが現実。1本あたりのバックが1万円程度で月収200万以上を目指すなら、長時間×連勤は避けられないでしょう。
この高収入を実現するために働きまくることを夜職界隈では「鬼出勤」と呼び、少し前なら1番の太客である「エース」は高確率で鬼出勤嬢でした。朝から晩まで働き、1カ月の締め日にドカンとお金を使う人、寝る間を惜しんで毎日来店する人など、通常のお客さんとはガッツが段違いだったのです。
しかし、近頃の風俗店は客入りに苦戦し、有名歓楽街の老舗が閉店するなど厳しい状況が続いています。接客した分だけが給料に繋がる業種だと、どんなに出勤を増やしてもお客が来なければどうにもなりません。1日を顧客だけで埋められるくらいの人気者でないと暇になってしまう日が多く、鬼出勤にも限界が来てしまうのです。
「ただ行けば稼げる」時代が終わり、鬼出勤キャストは歓楽街からやや足が遠のいているようです。
近頃のホス狂い、太客の職業は……
それでも「一撃1000万円会計」のような太客が現れるのが、有名ホストクラブのスゴいところ。まさにこれは“夜職ドリーム”ですが、一度に高額を支払える女性たちは一体何の仕事をしているのかが気になるところですよね。
歓楽街にしょっちゅう出入りする知人に話を聞いたところ、太客=鬼出勤嬢の風潮はとっくに薄れ、現在は「セクシー女優+海外出稼ぎ」「インフルエンサー」「YouTuber+海外出稼ぎ」「会社経営」の4種類の太客が多いようです。
相変わらず夜職系がメインであるものの、エース級の顧客の職業は多様化が見られますね。ネットで稼げる時代ということも関係し、YouTuberやティックトッカーの夜遊びもかなり目立っています。
また会社経営の女社長やマダムも、最近は多くなっているようです。桁違いにお金を使える人こそこの2タイプに当てはまったりするそうで、VIPルームでシャンパン騒ぎやイベントがない通常営業日に高額シャンパンタワーなど、バブリーな遊び方で楽しむのでした。
相変わらず夜職系のお客さんが多い点はさておき、マダムや女性経営者が再び目立ち始めたのを見ると、昔のホストクラブの客層に戻りつつあるのかもしれませんね。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。