近畿日本鉄道は6月1日から南大阪線にて、有料座席指定サービス「すわれーる」を始めます。近年、関西大手私鉄でも追加料金が必要な有料座席指定サービスが次々と導入されていますが、近鉄の「すわれーる」は少し雰囲気が異なります。
特急列車とは異なる「すわれーる」
「すわれーる」は近鉄南大阪線の有料座席指定サービスですが、車両は一般車両を用います。近鉄では、すでに座席指定の特急列車は存在しますが、一般車両を用いた有料座席指定サービスは「すわれーる」が初となります。
使用車両は5月に登場したばかりの6A系が担当し、「すわれーる」時はクロスシート仕様です。「すわれーる」は急行の先頭車1両のみの設定となり、サービス提供列車は平日夕ラッシュ時の大阪阿部野橋18時50分発、吉野行き急行に限られます。サービス提供の設定区間は大阪阿部野橋~古市間のみです。追加料金は300円ですが、オープニングキャンペーンとして6月30日までは200円で利用可能。購入方法は「すわれーる」予約サイトからです。
超短距離な座席指定サービス
「すわれーる」は同じく座席指定サービスの京阪「プレミアムカー」や阪急「PRiVACE」とは性質が異なります。まず、「プレミアムカー」「PRiVACE」はリクライニングシート車ですが、「すわれーる」の車両はリクライニングシート車ではありません。
また、先述したとおり、設定区間は大阪阿部野橋~吉野間ではなく、途中の古市駅までです。もちろん、古市駅以遠もそのまま着席乗車できます。大阪阿部野橋~古市間の営業キロは18.3km、所要時間は約16分です。急行は大阪阿部野橋~古市間はノンストップとなり、物理的に途中駅での乗降はありません。古市駅は長野線の分岐駅であり、長野線沿線には団地や住宅地が広がります。
実際に、大阪阿部野橋駅平日18時台の時刻表を見ると、急行・準急では南大阪線橿原神宮前方面よりも、長野線方面への直通列車が多いのが実態です。また、南大阪線は古市駅を境に輸送量が大きく変わります。そのため、個人的には長野線直通の「すわれーる」を見たいものです。
次に「すわれーる」と特急を比較します。平日夕ラッシュ時以降の下り時刻表を見ると大阪阿部野橋駅発20時台以降の特急と急行に関して、南大阪線内は同じ停車駅です。一方、「すわれーる」が運行される18時台の特急は古市駅には停車しません。
追加料金は「すわれーる」が300円に対し、特急料金は520円です。なお、南大阪線・吉野線の特急料金は他線とは異なり、距離にかかわらず520円です。特急はリクライニングシート座席の特急型車両を用いるため、この料金差は妥当といえます。
6月から始まる「すわれーる」は急行1本のみということから、試験的意味合いが強いように思われます。今後、「すわれーる」設定の急行を増やした場合、特急列車との関係も興味深いです。また、南大阪線・吉野線には古参の特急車両もあるだけに、将来的に一部の特急が「すわれーる」付きの急行に置き換えることもあるのでしょうか。