柴犬のルーツとなる石州犬「石号」が生まれた島根県益田市で、「犬のおまわりさん」が続々と誕生している。益田署と市防犯協会は市内の飼い犬と飼い主を対象に、犬の散歩をしながらパトロールする見守り活動「わんわんパトロール隊」への登録を呼びかけ、防犯ボランティアの担い手確保に一役買っている。
パトロールは愛犬の散歩をしながら地域を見守り、不審者や動けなくなった高齢者などの異変を発見した時に通報する。時間やコースに制限はなく、登録数は活動開始の2025年10月から26年5月8日までで147人、170匹に上る。
豆柴のつくし(5歳雌)とミックス犬のねむ(1歳雌)の愛犬2匹がパトロール隊の一員になった山口鉄兵さん(42)と妻の友子さん(39)=同市幸町=は散歩時のあいさつなど声かけを意識する。
救助につながった例もある。2人は2カ月ほど前、朝の散歩で転倒して動けない高齢男性を発見した。友子さんは「登録で見守りの意識が芽生えた。活動を機に知り合った住民もいて、地域のつながりが生まれている」と話す。
県内の防犯ボランティアは全国の傾向と同様に減少しており、構成員数が最多だった10年末の2万2918人から25年末は1万460人と半数以下になる中、取り組みはボランティアの確保にもつながっている。
市防犯協会の増野利夫事務局長は「散歩中に周囲へ意識を向けることでながら見守りができる。町の防犯意識向上のためにも気軽に登録してほしい」と呼びかける。登録者には犬用バンダナか散歩バッグの見守りグッズが配られる。