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「戒名いりません」→「え、タダ?せやったら…」大阪の寺で「信仰より先に、コスパが勝つ瞬間」とは?

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「うちのお寺は、昔から戒名料はいただいていません。たまに『戒名いりません』と言われるので、『うちは戒名料いりませんよ』とお伝えすると――」

大阪市平野区の一向山・専念寺にて、住職をされている“ネコ坊主”こと籔本正啓さん(@yabumoto610)。X(旧Twitter)での「戒名」に関する発信が話題となりました。

戒名はなぜ重要? 戒名を断る理由とは…?

そもそも戒名とは、仏門に入る際に付けられる名前のことを指します。

つまり元々は、仏教の世界において、「お釈迦様の弟子として、新たな生き方を始める証」として、生前に授けられるものでした。

しかし現在は、出家していない方でも「迷うことなく極楽浄土へ行けるように」と、亡くなった後で戒名を授けてもらう、という習慣が一般的になっており、寺院によっては戒名がないと納骨を断られるケースもあるといいます。

「ただし専念寺では、戒名の有無に関わらず納骨していただくことが可能です」(籔本さん)

このように、仏教の葬儀において非常に重要な戒名。しかし、近年では戒名をつけないことを希望する方も増えているといいます。

「近年はインターネットやSNSを通じて多くの情報が得られるようになり、戒名に対する考え方もより多様で、難しい問題になってきています。また、年金暮らしで生活に余裕がない方も多く、費用面でのご負担について悩まれる方が増えているのも現実です」(籔本さん)

どの家庭も、経済的な負担が激しい昨今、余分な出費は抑えたいというのが、戒名を断る大きな要因となっているようです。

ところが、ここで籔本さんが、「うちは戒名料はいりませんよ」と伝えると、「タダなん?ほな、つけます!!」と言ってくる方もいるとか。

「信仰より先に、コスパが勝つ瞬間がある」

そんな大阪らしい風潮について、籔本さんはこのようにコメントされています。

籔本さんの投稿に対し、リプ欄にもかなりの反響が。

「それ悩むわぁ。戒名不要、葬式不要と言い続けてきた私だけど。。。無料・タダという言葉にとっても弱い関西人」
「法隆寺で「(拝観料)2000円!?高いな!モト取らな!」と言う客(たぶん大阪人)を見たことがあります。お寺に高いとかモトとか…w」
「知人は家族の戒名で200万取られたそうです。『車買えるね』と話してました」
「祖父祖母が世話になった寺で親父の葬式の前に聞いたら、『戒名は15万から』って言われてお断りして、葬儀屋繋がりで紹介してもらったら『いくらでもOKお気持ちです』って言われた」
「うちの母方の祖父は、『あの世でも親にもらった名前で生きていきますので戒名は結構です』と言って断ってました」
「戒名って自分でつけたい。アプリとかで作れたらいいのに」

関西人の特性を面白がる声、実際の金額に関すること、戒名を断ったという話など、さまざまな方向からのコメントが寄せられています。

戒名料が発生する/発生しないの違いとは?

前述の通り、専念寺では戒名料は取っていないといいます。しかし、リプ欄では、「多額のお金がかかった」、「相談先によって金額が違った」といった声もありました。

なぜ、このような違いがあるのでしょうか。

その背景には、戒名に対する各寺院の宗派や考え方、その土地の風潮があるようです。

籔本さんは、専念寺で戒名料がかからない理由について、このように話します。

「かつてはお布施が金銭だけでなく、お米や田畑、土地の寄進という形で支えられており、葬儀や戒名料に頼らずとも寺院の運営が成り立っていました。また、大阪市平野区は浄土真宗の寺院が多い地域です。浄土真宗では戒名ではなく『法名』を用いるため、戒名料という考え方自体が一般的ではありません。さらに、私どもの宗派である融通念佛宗においても、戒名料を設けていない寺院は少なくありません」

このような歴史や地域性、宗派としての考え方により、専念寺では戒名料を取らないことになっているそうです。

ただし、専念寺でも「院号」や「居士」「大姉」など、特別な戒名をつける場合は料金が発生するとのこと。

「ご本人やご家族から(特別な戒名の)ご希望があった場合には、これまでのご貢献の程度を踏まえた上でお受けしております。基準として、院号は30万円、居士・大姉は25万円としております」(籔本さん)

ただし、戒名に対する考え方は一律ではないため、もちろん寺院によっては一般の戒名にも料金が発生するケースもあり、その値段にもばらつきがあります。

具体的な金額については、実際に寺院に問い合わせてみるのがよいでしょう。

戒名はいらない――という方へ

「戒名はいらない」
「付けようかどうか悩んでいる」

そのように考える方がいらっしゃることについて、「まず、その方がなぜそのように考えておられるのかを、丁寧にお聞きすることが大切です」と、籔本さんは話されます。

「なかには、『周りに迷惑をかけたくない』という思いから、亡くなられたご本人が戒名を望まれない場合もあります。また、『戒名は高いものだ』というイメージだけが先行し、十分に理解されないまま判断されているケースも少なくありません。だからこそ、きちんと説明を行うことが必要です」(籔本さん)

また、戒名について悩まれている方々に対しても、このようにアドバイスをされます。

「まず住職に戒名の有無について相談し、その意味や考え方を直接聞かれるのが良いと思います。寺院によっては柔軟に対応してくれる場合もありますので、その点も含めて確認されるとよいでしょう。なお、戒名料は住職個人の収入になるものではなく、多くの場合は寺院の維持管理や修繕、将来へと受け継いでいくための費用として充てられています。そのような件についても、遠慮なく住職にお尋ねいただければと思います」(籔本さん)

先入観だけで断るのではなく、事前にしっかり確認をして判断することが大切なのですね。

  ◇  ◇

まいどなニュースでは、専念寺とその住職・籔本さんについて、以前にも「『仲の良い人が嫌な人に変わったら…』ネコ坊主さんの言葉に『ハッとしました』『心に留めておきたい』」という記事で紹介させていただきました。

■専念寺/ネコ坊主のX(旧Twitter)はこちら
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■専念寺/ネコ坊主のInstagramはこちら
 →https://www.instagram.com/sennenji1597/?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D

■一向山 専念寺のホームページはこちら
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