自分が旅立つとき、かつて可愛がっていたペットが迎えに来てくれたとしたら...。そんな不思議な体験を身近で感じたエピソードを描いた漫画『見えない訪問者』(作:大友しゅうまさん)がSNSで注目を集めています。
主人公は、介護施設で働く男性介護士です。当時、彼が担当していた女性利用者は認知症が進行しており、会話もままならない状態でした。
その利用者が亡くなる約一週間前から、不思議な出来事が始まります。彼女は「トラをお願いしますね」と、たびたび主人公に言うようになったのです。また、誰もいない空間に向かって「こっちおいで」と声をかけたり、何かを撫でるような仕草をしていることもありました。
そんなある日、女性から「ご飯はまだかな?」と聞かれた主人公は「先ほど召し上がりましたよ」と答えると、「ちがうの、トラのご飯よ」と返ってきます。男性は、昔飼っていたペットの記憶が蘇っているのかもしれないと思い、話を合わせていました。
後日、仕事を終えた主人公が外に出た時、ふと耳に「チリン」と鈴の音が聞こえました。近所の生活音だろうと深くは気に留めませんでしたが、その翌日、女性が静かに息を引き取ったのです。
ご遺族に女性の生前の様子を伝えることになった主人公は、以前から気になっていた「トラ」について尋ねてみました。主人公が「一週間ほど前からおっしゃるようになりまして……」と話すと、家族の表情が一変します。
実は「トラ」は、女性が生前に飼っていた猫の名前でした。そして偶然にも、ちょうど一週間前に亡くなっていたというのです。その話を聞いた男性は、トラが死期の近い飼い主のもとへ様子を見に来て、そのまま一緒に旅立っていったのではないかと考えます。もしかしたら、あの時に聞こえた鈴の音は、トラと女性からのお別れの挨拶だったのかもしれません。
読者からは「おばあちゃんが空に旅立つ時におばあちゃんが一人では不安にならないよう魂で待っててくれたんかな?」や「鈴の音は否定せず聞いてくれていた職員さんへの挨拶とお礼だと思います」など多くの声が寄せられています。
そんな同作について作者の大友しゅうまさんに話を聞きました。
思いや熱量がとても強く伝わってくることが多い
―同作を描こうと思われたきっかけがあれば教えてください。
幼い頃、10年以上一緒に過ごしたポメラニアンを飼っていたのですが、その子が病気で亡くなる間際、悲しさで泣き崩れていた僕のそばにそっと寄り添ってくれたことがありました。
まるで慰めてくれているように感じた、その体験が今でも強く心に残っています。
だからこそ、この作品のように、長年一緒に生きてきたペットが自分の最期に迎えに来てくれる――そんな出来事が本当にあったら素敵だな、と思い漫画にしたくなりました。
―寄せられたコメントの中で特に印象に残っているものがあれば教えてください。
「自分が飼っていて亡くなったペットにも会いに来てほしい」といったコメントが多く寄せられたことです。
その気持ちはとてもよく分かりますし、多くの方にとってペットとの思い出が今も大切な存在なのだと感じ、印象に残りました。
―同シリーズは読者からの投稿をもとに制作されていますが、動物の霊に関するエピソードも多く寄せられているのでしょうか。
頻繁というほどではありませんが、時折寄せられます。
ただ、ペットに関する投稿は、投稿者の方の思いや熱量がとても強く伝わってくることが多く、読んでいて胸を打たれます。そうした気持ちに触れるたび、ぜひ漫画として届けたいと思います。
<大友しゅうまさん関連情報>
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