世間では不況が嘆かれていますが、それは歓楽街でも同様です。しかしその一方で“リッチ層”が存在するのも事実。ピラミッドの頂点に君臨するキャストとお客様は「不況はどこへ?」と思ってしまうような、羨ましい生活や遊び方をしています。
そして、それを象徴するように、昨今では爆発的に売り上げるキャバ嬢が動画やSNSなどで目立っています。ただ、目立っているのはキャバ嬢が多いですが、風俗店に勤務するキャストのお姉様たちも負けていません。
そんな令和の売れっ子風俗店キャストに話を聞きました。
行きも帰りもタクシーが基本!店内で着るドレスにもこだわりが
電車やバスの運賃が上がった今、タクシーの利用を控える人は多いと聞きます。それは一般企業だけの話でなく、ナイトワーカーの間でも電車通勤の女性は珍しくありません。しかし、売れっ子はタクシー通勤が当たり前。
高級ソープ店でランキングに入り続けるナナコさん(仮名・51歳)は出勤日にはタクシーで片道約2500円かけてお店へ向かいます。往復約5000円と考えると、なかなかの出費ですが彼女にとっては必要経費かつ、キャストとしてのプライドを保つ行為だそうで……(以下『』内、ナナコさん談)。
『私の時代はソープ嬢と言えばタクシー通勤だったんだけどな。高級店勤務なら電車なんか使わず、毎日タクシーに乗れるくらい稼ぐのが当たり前だったんですよ。今でも若い頃のクセが根付いているし、“高級のオンナ”としての自覚を持つために電車通勤はしません』
電車を使わないのは仕事意識を高めるだけではなく、ストーカー対策や身バレ防止のためでもあるそう。通勤・退勤の姿を見られずドアtoドアで全てをお客さんに見せないのも、ナナコさんなりのブランディングです。
また、店内で着るドレスのお値段は、必ず3万円前後をチョイス。高級キャバ嬢が愛用するブランドと同じものを買い、ペラペラな生地のドレスは絶対に着ません。お店の規約もありますが、大金を払う顧客に対して失礼がないよう、徹底的に“高級店のキャスト”を演出します。
『お店からドレスブランドの指定はないので、“高見え”するリーズナブルなドレスを着ているコもたまにいます。でも、私は絶対にブランドものを着用しますね。お客さんは高級店で遊び慣れているから目が肥えていますし、払ってもらった金額分以上のおもてなしとして、ドレスにもこだわるんですよ。“すぐ脱ぐからいいでしょ”なんて声もあるけど(笑)、細部にまで気を払って非日常を作り上げるのが私たちの役目です』
ドレスのみならず、下着も最低上下で2万円以上。毎月数種類を入れ替え、個人ロッカーにストックをして顧客の好みに合わせて着用します。お客さん1人ごとに下着を変える日もあり「ランジェリーをたくさん使った日は、帰宅後の洗濯が大変です(笑)」と語るのでした。
太客の貸切りはガチ?多額を落とすお客様のウラ話
風俗店の太客といえばキャストの出勤枠を丸1日買い取ったり、数日間にわたる貸切り旅行のイメージですが、売れっ子の彼女でさえ「そういうのは最近聞かないね」とつぶやきます。かつて“極太客”を抱えていたナナコさんも、現在は買い取り・貸切りがなくなったようです。
『ウチは基本が120分~なのでダブル(4時間)、トリプル(6時間)はありますけど、それ以上はほぼ見かけないですね。ただ多輪車っていう、お客さん1人に対して女のコ複数名がつくハーレムコースを頼む男性はちょこちょこいますよ。
料金はコース時間×人数です。ウチが120分約6万円なので、2輪車っていう女のコ2人だと支払いは約12万円くらい。これがダブル、トリプルとか3輪車、4輪車になっていくわけです』
貸切り文化が減っても、大金を落とすリッチなお客様は相変わらずいるとのこと。2時間で12万円以上を支払うなど、歓楽街の一部はまだまだ不況知らずです。多輪車×トリプルなどは決して頻繁に出るコースではないものの、大盤振る舞いなオーダーをする顧客を何名か抱えているナナコさん。さすがの売れっ子の「太客」はひと味違います。
『私にとっての太客は長い付き合いのお客様で、遊び方が昔から変わっていない……ってだけなんだけどね。でも時々30代の若い男性が贅沢に多輪車するのも見かけますよ。私もこの前予約をもらって、初めましての年下男子と3輪車しました。数は減ったのは否定できないけど、太客もまだまだ“いるところにはいる”ので、どう掴むか、そしてどう出会って指名を貰い続けるかは自分の力量だと思います』
ナナコさんの月収は250万〜300万円で、高収入を数十年にわたってキープしています。不況と嘆かれる現代でもお金を使うお客さんは一定数いるのだから、彼女が最後に発した「太客をどう掴むか、どう出会うか、そして指名を続かせるかは自分の力量次第」という言葉には、深く頷いてしまいました。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。