「後日セットできるとかどうでもいい。今日を最高にしてください」――急きょ決まったデートを前に、そんなオーダーで美容室に飛び込んできた男性がいました。担当した美容師の大月渉さん(@DIECE_SHOU)が、緊張した面持ちで来店した男性のビフォーと、全力のスタイリングで仕上げたアフターの写真をXに投稿したところ、その変貌ぶりに大きな反響が寄せられました。
来店したのは、初めてこの美容室を訪れたという男性。大月さんは、着席した後ろ姿からただならぬ緊張を感じ取ったといいます。「行ったことのない美容室だけど、やっと来たチャンスを絶対に無駄にしたくない」という思いが伝わってきたため、大月さんも本気で向き合うことを決めたそうです。
施術前のやり取りの中では、男性から印象的な言葉が―。
「自分で再現できなくていいので、とにかく今は雑誌に出てくるような髪型にしてもらえれば大丈夫です」
再現性よりも「この日」を優先する姿勢に、大月さんも驚いたといいます。そこで今回のスタイリングでは、何よりも「完成度」を最優先に。
「正面からも横からもシルエットがきれいに見えるよう意識しました。アイロンで毛先に柔らかい動きをつけつつ、デート中に崩れないよう根元からしっかりワックスを入れて、束の一本一本をキープできるようにしています」
その結果、ヘアスタイルの仕上がりは来店時とはまるで別人のよう。目にかかるほど重かった前髪はかき上げるように横へ流され、トップにはアイロンで動きをつけた束感が生まれています。サイドはすっきり抑えられ、横から見てもシルエットが整った、雑誌のモデルのようなスタイルに。動画の最後には、大月さんが後ろから肩をポンと叩き、「デート楽しんでくださいねー!!がんばれー!!!」と笑顔で送り出す場面が映されていました。こうした「ここ一番」の場面に立ち会うことに、大月さんは強いやりがいを感じているといいます。
「髪を切る理由は人それぞれですが、『モテたい』『仕事で結果を出したい』といった気持ちと髪型は、男性にとって切り離せない関係だと思っています」
投稿には「応援したくなる」「美容師さんも素敵」といった声が多く寄せられたそうです。大月さんは最後にこう話しています。
「お客様には常に『昨日より好きな自分』でいてほしい、と願っていますし、なにより『人生は髪型で変わる』と本気で思っています。今後の人生を変えるような一瞬に全てをかける人には、こちらも全身全霊で応えて送り出したい。そこにやりがいを感じます」