tl_bnr_land

「もう奢りたくありません!」「割り勘なんて論外」婚活男女の大バトルを一刀両断…結局、お金で相手を試す2人は「似た者同士」【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

結婚相談所のお見合いでは、基本的に男性が全額負担する慣行となっています。しかし、それに納得がいかない男性も、また男性がおごるのは当たり前だと思う女性もいるようです。漫画家・井原タクヤさんがヤンマガWeb(講談社)にて連載している作品『運命など存在しないので』の第18話では、そんな男女の主張が描かれています。

ある日、婚活アドバイザーの柏木が勤める結婚相談所に「俺はもうおごりたくありません!」と心の叫びを訴える男性・小岩がやってきました。彼は先日のお見合いで割り勘を提案し、女性側から苦情が来たといいます。

小岩はこれまで、お見合いだけで8万も費やしただけでなく、最初の10分でスマホを操作しだす女性も出る始末。とはいえ柏木によると、男性のおごりが圧倒的多数のなか割り勘を貫くと、リスク管理能力や自己認識など、客観的視点のなさが女性に警戒されるといいます。

それでも「俺は割り勘にしても程度を変えない、俺をちゃんと見てくれる女と結婚したい!」と叫ぶ小岩に、後ろから「デートでおごってくれなかったら大事にされてないなって一瞬で冷めますよぉ」と話す女性が現れました。

次の面談待ちに並んでいた女性・市川は、「割り勘なんて論外♡」「だいたいそんな甲斐性じゃ家庭を支えられないでしょ」と小岩を批判します。それに対し小岩は、結局金目当てじゃないかと大声で逆上しました。

その後も「女は服や美容にお金がかかるから男がおごってやっとフェア」や「お見合いで雑に扱われるって開始数分で『ナシ判定』されたってことじゃん」など、小岩と市川はお互いに罵りあいの口論へと発展します。

結局、小岩と市川は「柏木さんはどっちが正しいと思いますか?!」と柏木に結論を委ねます。すると柏木は、「お2人とも婚活をやめればいいと思います」と予想外の答えを出しました。

柏木によると、市川の場合、相手がどこまで自分にお金を出すかを気にしていましたが、婚活で探すべきは『投資家』ではなく『共同経営者』です。「逆に自分はなにを提供できるか…一度でも考えたことありますか?」と問われた市川は考え込んでしまいました。

そして小岩は「自衛として割り勘は合理的でしょう?」と言いますが、柏木から「目的が自衛なら婚活自体が非合理的では?」と指摘されます。小岩も市川も、これから信頼関係を築くべき相手を試そうとしていました。それは、自分の価値に対する驕りや不安から来ているものです。

「お金の使い方」という偏った物差しで承認欲求を満たすことばかりを考えているため、「あなたたちは似た者同士なんですよ」と柏木に告げられました。

結局、小岩と市川はお互いに謝りその場を立ち去ります。そんな2人を見て柏木は、何が正解かもいつ終わるのかも分からない婚活において、自分を見失わずに居られる人のほうが少ないのかもしれないと考えるのでした。

読者からは「すごく勉強になった」「相手を試すようでは結婚生活もうまくいかないよね」など共感の声が寄せられています。そこで、作者の井原タクヤさんに話を聞きました。

『おごりおごられ論争』は「自分がどう扱われるか」への不安の問題では

―『割り勘男』と『おごられ女』について描いたきっかけについて教えてください

「おごりおごられ論争」は、婚活や男女の話題では頻繁に目にするテーマですが、これはおごるかどうかの問題というより、「自分がどう扱われるか」への不安の問題だと思っています。

その根底にあるのは、「拒否されないか」「自分は価値のある存在だと認めてもらえるか」といった承認への不安です。これは男女に関係なく、現代を生きる多くの人が大なり小なり抱えている感情ではないでしょうか。

誰もが無関係ではいられないテーマだからこそ、これだけ多くの人の関心を集め、議論になる。そうした構造を自分なりに整理してみたいと思い、このエピソードを描くことにしました。

―同作では複雑な人間の心情を描くにあたって、どのような部分に気をつけましたか

一方の主張だけに寄らず、「どちらの気持ちも分からなくはない」と思えるバランスを一番意識しました。婚活を続ける中で、「相手を選ぶこと」よりも「自分の価値を確認すること」が目的にすり替わってしまうことがあると思っています。

このエピソードに登場する「割り勘男」と「おごられ女」は極端に描いていますが、本来はどこにでもいる普通の男女です。ただ、ゴールの見えない婚活の中で不安が大きくなり、「一緒に生活できる相手かどうか」ではなく、「自分がどう評価されているか」を測る方向に意識が逸れていってしまった。その結果、「割り勘を受け入れてくれるか」「おごってくれるか」といった行動を通して、自分の価値を確かめようとしてしまう…そんな構造を描いています。

婚活は、自分の価値を市場にさらし続ける側面もあるので、そうした中で普通の人が少しずつバランスを崩していく、というところに注目しました。この点については、いずれもう少し踏み込んで描いていけたらと思っています。

―同作は連載作品の一部ですが、別の話でも結婚相談所を訪れる人々を描いているのでしょうか

その通りです。というのも『運命など存在しないので』は、結婚相談所で働く婚活アドバイザー(仲人)を主人公にしたお仕事漫画なので、さまざまな悩みや問題を抱えた会員たちのドラマや、婚活市場の構造や仲人の仕事を描いています。

婚活とは何か、結婚とは何か、他人と生きるとはどういうことなのか。そういったテーマを、それぞれのキャラクターの選択や失敗、そして成長を通して描いています。婚活に興味がある方はもちろん、そうでない方にも無関係ではいられないテーマだと思っています。

なお、本エピソードを収録した単行本第3巻が4月20日に発売されました。まとめて読むことで、登場人物たちの変化や関係性もより楽しんでいただけると思います。また、単行本限定の描き下ろしも収録されておりますので、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。

<井原タクヤさん関連情報>
『運命など存在しないので』第3巻
▽単行本(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065432928
▽電子書籍(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CW1GLDRT
▽その他ネット書店・電子書店はコチラ
https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000425944
▽ヤンマガWeb【無料公開中】
https://yanmaga.jp/comics/%E9%81%8B%E5%91%BD%E3%81%AA%E3%81%A9%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A7
▽X(旧Twitter)
https://x.com/Takuya_Ihara114

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース