熊との「共生」のためにも「目撃情報」は必要不可欠
ニュース番組などで見るセンセーショナルな印象のせいか、「通報すると熊が駆除されてしまう」と考える人も少なくない。
実際は、目撃情報が多いほど「無益な殺生を避けることにもなる」と、しまきうさん。
「目撃されたクマがその場にとどまっていることは稀です。これは基本的に<通りすがりのクマ>が目撃されやすいためで、単発の目撃情報で緊急的な対応が必要になることは滅多にありません。
目撃情報が迅速に多く集まることで、クマが集落に依存する前に防除(出没の原因となっているものを除去したり、電気柵でクマの侵入を防御するなど)ができたり、人身事故が起きる前に『クマの出没』の周知を行うことができます。
そして、すでに集落に依存してしまったり、人を怖がらない危険な性質を持った個体を排除することもできます」(しまきうさん)
捕獲は「罠」が主流
また、「捕獲」=「銃を持って山狩りをする」といったイメージも強いが、猟師でもあるしまきうさんによると、「実際の有害鳥獣捕獲は『罠』によるものが9割以上」なのだという。
「情報が少なければそもそも罠の設置許可が出ません。罠の設置場所もクマの行動が読めなければ適切な場所を選ぶことは困難です。もちろん時間が経っていれば捕獲することはできません。
年間数百件の目撃情報がある地域に住んでいますが、通報された内容や過去の情報から勘案して対応の優先度を決め、必要があれば都道府県・市町村と情報共有をしながら捕獲や防除対策に繫げています」(しまきうさん)
熊との「共生」にも目撃情報は必要不可欠
熊と人間が「共生」するためには、互いの生活圏を明確に切り分けるための「迅速な対策が必要不可欠」と、しまきうさんは言う。
「ここで言う共生とは、クマが生態系の一員として必要かつ重要な存在であるため、個体群として健全に維持していくと共に、危険な動物でもあるので、社会的に許容される性質・個体群密度に管理していくという意味です。
こういった対策の基本には、住民の方々の協力や理解、そして日頃からの情報が必須なのです。休日や夜間の通報をためらわれるお気持ちはとてもよくわかります。今回の投稿を通して、通報への心理的なハードルが下がればありがたいです」(しまきうさん)