tl_bnr_land

自社線内の運賃より高い!? 鉄道の直通運転を実施している路線の運賃はどのように決めているのか 基本は合算だが…そのカラクリに迫る

新田 浩之 新田 浩之

直通運転を実施している路線は確かに便利ですが、券売機上の運賃表を見ると、乗り入れ先の各駅までの運賃は、自社線内の運賃よりも高いように感じます。直通運転を実施している路線の運賃はどのように決めているのでしょうか。

基本は合算だが、救済措置もあり

ここではOsaka Metro御堂筋線と北大阪急行南北線の相互直通運転を取り上げて説明します。便宜上、北大阪急行は江坂~箕面萱野間のうち、江坂~千里中央間に限定します。

北大阪急行・千里中央~江坂間は140円となり、営業キロ5.9キロの割には大変安い運賃です。一方、Osaka Metro御堂筋線・江坂~梅田間は240円です。千里中央~梅田間の運賃は140円(千里中央~江坂)+240円(江坂~梅田)=380円となります。つまり、北大阪急行区間とOsaka Metro区間の合算となるわけです。

次に、千里中央~東三国間を取り上げます。東三国駅は江坂駅の隣駅にあたるOsaka Metroの駅です。千里中央~江坂間は140円、江坂~東三国間は190円です。先ほどの要領で計算すると、330円です。しかし、実際は290円です。これは「北大阪急行線各駅から地下鉄1区間の運賃については、それぞれの合算額から大人40円の割引となる」というルールが適用され、330円−40円=290円となります。このような割引制度は各社でも見られます。

会社が異なるから合算は本当か

先述した北大阪急行とOsaka Metroのような合算は直通運転を行っている鉄道会社で主に見られますが、例外もあります。たとえば、神戸市内を走る阪急神戸高速線(神戸三宮~新開地)と阪神神戸高速線(元町~西代)です。

阪急大阪梅田駅から神戸三宮駅までの運賃は330円ですが、神戸三宮駅の西隣にあたる阪急神戸高速線の花隈駅までの運賃は470円です。これは大阪梅田~神戸三宮間330円+神戸三宮~花隈間140円の合算に基づきます。

同一会社の路線にも関わらず、合算制になっている背景には、阪急神戸高速線、阪神神戸高速線の保有会社、神戸高速鉄道の存在が挙げられます。阪急神戸高速線の場合、運行側は阪急、保有側は神戸高速となります。

運行側と保有側の事業体が異なる路線は珍しくありません。ただし、京阪中之島線のように、他路線では合算制ではなく、運行側の会社の基本運賃に加算する運賃体系がよく見られます。

阪急神戸高速線、阪神神戸高速線の合算制は1968年の神戸高速鉄道の開通に遡ります。当時、神戸高速鉄道の路線は名実ともに神戸高速鉄道自身の路線であり、阪急、阪神の路線ではありませんでした。そのため、「阪急、阪神が神戸高速鉄道に乗り入れている」と言っても差し支えなかったのです。

神戸高速線の駅や鉄道施設の管理は、神戸高速鉄道自身が行っていました。各社協議の上、神戸高速鉄道独自の運賃体系が定められ、今日のような合算制となりました。神戸高速鉄道東西線が事実上、阪急、阪神の路線になり、神戸高速鉄道が純然たる施設保有会社に移行したのは2010年10月のことです。現在の料金体系は、神戸高速線において、神戸高速鉄道の存在感があった時代の名残といえます。

◇  ◇

このような直通運転ネタを集めた本『鉄道直通運転探求読本』を執筆しました。通勤通学で電車は乗るけど、ものすごく鉄道を知っているわけではない方々に向けて書いたので、手に取って頂けると幸いです。

『鉄道直通運転探求読本』
河出書房新社 
定価 1,892円

 

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース