「風呂キャン」とはお風呂に入らない(=キャンセル)ことを面白おかしく表現したネットスラングです。風呂キャン界隈なんて言葉も登場し、「実は自分も……」なんて共感する“界隈民”が続出しています。以来、この単語が瞬く間に広がり、若者を中心に使われるようになりました。
冷静に考えると入浴拒否は社会人のマナーとして「アウトでは?」と考えさせられるものですが、風呂キャン民は想像以上に多いもの。対人商売であるナイトワーカーの「実は……」なんて声もあり、髪の毛も身体も洗わずに接客に入る話もあるんだとか!?
「ヘアメで全てを誤魔化す」風呂キャンからの同伴出勤
キラキラに着飾るキャバ嬢が風呂キャンなんて……と思う人も多いでしょう。しかし知人の現役キャバクラキャストに聞くと「風呂キャン?余裕でするよ」と返答するので、軽いショックを覚えます(以下『』内、友人談)。
『ちょうどこの前、予定外の出勤があってさ。常連のお客さんだからセルフヘアメイクが許されるから、ストレートヘアで出たの。アフターもなかったし、仕事終わって家に帰ったら面倒くさくて、翌朝にシャワー浴びるつもりで風呂キャンしたのよ。
でも、起きても気乗りしなくて結局浴室には行かず……(笑)夕方からお客さんとご飯する予定が入っていたけれど、1日くらいまぁいいかと思ってそのまま同伴したよね!』
彼女は休みの日は引きこもり気味で、風呂キャンが癖になっているとか。お風呂に入らない→翌日同伴→出勤を月に1~2回くらいやってしまい、その度に少し後悔しますが「治す気はない」と断言します(笑)
『1日くらい風呂に入らなくても大丈夫ですよ。髪の毛はヘアメイクで誤魔化せばいいし……。そもそも、毎回ヘアメイクをお店でやってもらってからお客さんとご飯にいくので、キレイな状態を演出できるから問題ないです。
まぁお客さんにバレたらやばいから、卓では“風呂キャンとか有り得ないって言ってるけどね。私みたいなコ、実は多いんじゃないかなぁ』
風呂キャンする「お風呂屋さん」勤務
“オトナのお風呂屋さん”は1日に何度もお客さんの身体を洗うため、出勤すれば完全なる風呂キャン民ではないでしょう。しかし入浴といっても接客ごとに洗髪するわけではなく、お湯をかけるのは首から下のみ。退勤後、帰宅してから再度お風呂に入らねば、半風呂キャン状態が続いてしまいます。
「首から下だけでもシャワー浴びるとお風呂に入った気になっちゃって」と語るのは、ソープ店キャストのノゾミさん(仮名)。家に帰るとつい面倒くさくなり、風呂キャンを繰り返しがちです(以下『』内、ノゾミさん談)。
『お風呂に入るのって体力要るんですよ!仕事でクタクタなのにまた入浴って気が起きない日も多く、仮に週5日出勤だとその中の1~2日は風呂キャンしちゃいますね。
髪洗わないのはヤバイなって自分でも思いますけど、接客中って(髪の毛が)ヨレるし、昨日風呂に入っていようがいまいが関係ない(笑)。それにお客さんもそこまで気づかないでしょ!』
半風呂キャン状態なら、頭皮以外はニオイの問題がなさそうですね。ちなみに彼女は「お風呂に丸2日入らず、店での入浴のみで過ごしたことがあります。1週間くらい風呂キャンし、“仕事中が入浴代わり”なんてコも過去に会いました」という、恐ろしい話もセットで聞かせてくれました。
家では風呂キャン……シャワーを何度も浴びるからOK!?
女の子がお客さんの元へデリバリーされるデリバリーヘルス店のキャストも、お風呂屋さん同様1日に何度もシャワーを浴びるので、完全なる風呂キャンとはいえないでしょう。デリバリーヘルスで働くエリカさん(仮名)は最長1週間家のお風呂に入らないまま、出勤を続けていたそうです(以下『』内、エリカさん談)。
『マジで1週間髪の毛も洗わず、家の風呂にも入らず、仕事中のシャワーのみで過ごしたことがあるんですよ。冬場だったし、ずっと連勤で疲れてたからニオイとか平気でしょ!くらいの気軽さで風呂キャンし続けてました』
いくら接客ごとにシャワーを浴びるといっても、目的はあくまでお客さんへの接客です。つまり、ものすごく入念に身体を洗えているわけではないので、1週間ちゃんと入浴しないのはかなりの大問題かも。
風呂キャンの間はメイクだけをしっかりと落とし、髪の毛をヘアミストで誤魔化すという強行突破ぶり。久しぶりのお風呂に入った時は、シャンプーが泡立たなかったそうです(笑)
『さすがにやべーなと思ってお風呂に入ったら、全然泡が立たないし、よく考えると結構髪の毛もペタッとしてて、なかなか“キテた”と思いますよ。それから1週間風呂キャンはやめましたけど、3日くらいなら今でも全然余裕でしちゃう。
今のところ客からのクレームもないし、仕事でシャワー浴びるから、まぁ大丈夫でしょ!と無駄にポジティブです』
ナイトワーカーは疲労のほかに強めの香水や、先ほど解説した度重なる入浴で誤魔化しやすいのも、風呂キャンを選ぶ理由の1つなのかもしれません。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。