「ママ、なんでいつもボロボロの服着てるの?」――小学6年生の息子が放った真剣な一言に、ハッとさせられた母親。自分を後回しにして駆け抜けてきたシングルマザーの日常と、お年玉で服を贈ろうとした兄弟の優しさを描いた実話漫画が、Instagramで14.7万いいねを集め「泣けました」「優しすぎる」と大きな反響を呼んでいます。
投稿したのは、国際ステップファミリーの日常を描いた作品を発表している、エッセイ漫画家のIkeiさん(@ikei0630)。ある日、当時小学6年生だった長男から「ママはいつもなんでボロボロの服着てるの?」と質問されたといいます。そのときの長男は、普段のようにからかう調子ではなく、少し真剣な表情だったそう。
「ハッとさせられたのと同時に、少し恥ずかしい気持ちもありました。自分では『まだ着られるし、家の中や近所ならこれで十分』と思っていたのですが、子どもの目から見ても心配になるくらいボロボロだったんだなと気づかされました。真剣なトーンで聞いてきたので、『これは本当に疑問に思って、心配してくれているんだな』というのが表情からすぐに伝わってきました」
漫画では、Ikeiさんが「でもまだ着れるし」「毎日仕事で忙しいから」と答える場面も描かれています。若い頃はおしゃれが大好きだったものの、出産や離婚を経て、シングルマザーとして日々を必死に過ごすうちに、自分の服装や見た目は後回しになっていったのだとか。
その後、長男がぽつりと言ったのは、「俺、ママの服を買いに行きたい」という意外な言葉。さらには、「残してあるお年玉で買えるか?」と尋ねてきたといいます。
「長男が『俺のお年玉で…』と真剣な顔で言ってくれたとき、それを聞いていた次男もすぐに『俺もママにプレゼント買うためにお金貯めたよ!!』と誇らしげに便乗してくれました(笑)。普段はおもちゃやゲームに使いたがるはずのお小遣いや、お年玉を私のために使おうとしてくれる二人の真っ直ぐな気持ちが本当に嬉しくて、胸がいっぱいになりました」
こうして二人の息子と一緒に買い物へ行くと、兄弟は真剣に服を選んでくれたといいます。
「お店に着くと、二人とも『どれがいいかな』と一生懸命探してくれました。トムとジェリーのTシャツは私の好みをわかってくれていて即決に近い形でしたし、花柄のほうも『これがいい!』と選んでくれました」
自分のために、兄弟があれこれ悩んでくれている時間そのものが幸せだったと語る、Ikeiさん。後日、選んでもらった新品の服に袖を通したときの気持ちは、特別なものだったといいます。
「もったいなくて汚したくないな、という気持ちもありましたが、どんな高級なブランド服を着るよりも心がポカポカして、満たされた気持ちになりました。誇らしくて、なんだか強くなれたような気がします」
実際に服を着用したIkeiさんの姿を見た長男は、パッと顔を輝かせたそう。
「長男はとても満足そうな、嬉しそうな表情をしていました。『自分がママを綺麗にしてあげたんだぞ』というような、少し大人びた誇らしげな顔つきがとても印象的で、成長を感じて頼もしく思いました」
Ikeiさんは、息子たちがこうした優しさを見せてくれた背景について、特別な教育などはしていないと話します。
「日頃から、感謝の気持ちなどは素直に伝えるようにしています。シングルマザーとして毎日バタバタと必死にやっていた私の背中を見て、自然と『自分たちで助け合おう』『ママを支えよう』という気持ちが育ってくれたのかもしれません。以前はただの『着古した服』でしたが、改めて振り返ると、子どもたちを育てるために無我夢中で駆け抜けてきた日々の証拠だったんだな…と、愛おしく思えるようになりました」
投稿には「息子さんたち優しすぎる」「泣けました」といった声のほか、「私も子ども優先で自分の服はボロボロです」と共感するコメントも多く寄せられたといいます。
「母はみんな、同じように自分のことを後回しにして頑張っているんだな…と、私自身も勇気づけられました」
最後に、Ikeiさんは自身と同じく子育て中の親御さんへ向けて、次のような言葉を寄せました。
「毎日本当にお疲れさまです。子どものために自分を後回しにするのは、親として当たり前のようになってしまいますが、親が笑顔で綺麗で(かっこよく)いることは、想像以上に子どもたちも喜んでくれるんだな…と今回実感しました。たまには自分のためにお金や時間を使って、自分を労わってあげてほしいなと思います」