住まい探しにおいて、LGBTQ当事者が抱える不安や現場の実態はどのようなものなのでしょうか。株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME'S』の住宅弱者向けの検索サービス『FRIENDLY DOOR』が実施した「LGBTQカップルの住まい購入」に関する実態調査によると、8割以上が、本来の希望よりも「条件を下げて購入や検討」していることがわかりました。
調査は、首都圏(1都3県)に在住する20~50代のLGBTQ当事者266人を対象として、2026年1月~2月の期間にインターネットで実施されました。
調査の結果、住宅購入を検討する際に、全体の61.3%が「自身のセクシャリティが理由で不便に感じたり、困ったりした経験がある」と回答しました。
加えて、「もしセクシャリティに関する制度的・心理的な障壁がなければ、より条件の良い物件を選んでいた」と答えた人は80.4%に達し、多くの人が、本来の希望よりも条件を下げて購入や検討していることがわかりました。
住宅購入時に「困った経験がある」と答えた人に、「物件見学・内見から購入の意思決定の過程で不便や困ったこと」を尋ねたところ、「希望する物件の周辺住民との付き合いが不安」(35.0%)、「自分たちの関係性が意図しない形で共有・漏洩されないか不安」(34.4%)、「パートナーとの関係の伝え方を悩み、問合せをためらった」(32.5%)といった不動産会社や物件オーナーに対する不安が上位に挙がりました。
そのほか、実際の対応を受けた際に「『女性同士だから予算は低いだろう』等のカップルへのステレオタイプに基づいた接客をされた」(32.5%)や「セクシャリティを理由に、売主や不動産会社から購入を断られたり、遠回しに難色を示されたりした」(31.3%)など、不快な経験をしたという意見も見られました。
また、「セクシャリティが理由で条件を妥協、諦めた経験」については、「パートナーを死亡保険金の受取人に指定できる団体信用生命保険の選択肢が限られ、条件が最良ではない銀行で妥協した」(36.8%)、「より好条件の会社があるかもしれないと思ったが、カミングアウトの負担を避け、理解を示してくれた不動産会社で決めた」「ローン審査の通りやすさを優先して予算を下げた」(いずれも36.2%)が上位に挙がり、当事者特有の切実な葛藤や心理的なハードルが住むエリアの選択肢を狭めている実態が明らかとなりました。
次に、「住宅購入に利用、または検討しているローンの組み方」について全回答者に尋ねたところ、共有名義にでき、それぞれが団体信用生命保険(団信)に加入可能で、万が一どちらかが亡くなった場合にもその人のローン残高は保険で完済される「ペアローン」(35.0%)が「単独ローン」(32.7%)を上回りました。
また、「購入した・検討している住宅の種類」としては、「新築一戸建て」(53.8%)、「新築マンション」(47.7%)、「中古マンション」(38.7%)が上位に並びました。
最後に、不動産会社や金融機関を選ぶ際の「LGBTQへの理解度」について聞いたところ、「重要である」と答えた人は67.3%で、「不動産会社や担当者に求める配慮・サービス」としては、「基礎知識や適切な接客マナー」(36.3%)や「周辺住民の多様性や、コミュニティの寛容度の情報提供」(35.2%)、「店頭やサイトでのLGBTQフレンドリーの表明」(34.6%)など、安心して相談できる環境整備が上位に挙げられました。