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「母がモノを捨てられません」 息子や娘からの切実な依頼 1000のケースに応えた「片付けのプロ」に聞いた

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 少子化・人口減少が進み、これから自宅や実家をどうするかは誰もが悩む。整理収納アドバイザーとして家を訪問し、島根、鳥取両県内で延べ1千件の依頼に応えてきた「片付けのプロ」である江原朋美さん(48)にアドバイスを聞いた。

 鳥取県倉吉市在住の江原さんは、片付けサービスを始めて9年目。近年増えているのが、就職や結婚で山陰両県外に住む息子、娘からの「実家を片付けてほしい」との依頼だ。「母親がモノを捨てられずため込む」「物置のようになり足の踏み場のない部屋を片付けてほしい」―。親が年老いる中、子ども世代から切実な声が届く。

 「1週間後に介護用ベッドが届くので、それまでに片付けて」というふうに、介護が必要になり切羽詰まって依頼される例も多い。

 理想は親が元気なうちに少しずつ整理を進めることだが、遠方にいれば様子を見られなかったり、家族ゆえに感情的になってしまったりして難航しやすい。 親が高齢になると、ある日突然入院・施設へ入所という事態も起こる。「急な入院で、貴重品や持ち物の場所が分からないと困るから」と子どもから提案し、必要なものの場所から整理を始めるのも手だ。1日5分など時間を決めて、無理なく整理する習慣をつくるようにしよう。江原さんは「身近なところが整い始めると、『生活しやすい』と変化を実感し、次につながりやすい」と助言する。

 家族に整理を促すとき、大切なのは「使っていないなら捨てるよ」でなく「いる、いらない、保留」の3択を示すことだと江原さん。「捨てるよ」と一方的に言うと、反発されることもある。まずは「必要なものだけに囲まれて生活すると気持ちいい」と実感してもらうため、保留のモノを別の場所によけてみることから始めるといいという。

 「生前整理」と言うと大げさに感じるが、「目の前の暮らしを良くするための整理」として、最近では男女問わず40代後半からの依頼も増えたという。

 江原さんは、「まずは身近な場所から整理を始めると気持ちも整う」と説く。いきなり家全体を整えようとするのではなく、まずは引き出し一つから、棚の一角からなど、身近な場所を整理し、小さな変化を感じていくことが大切とする。「身の回りが整うと気持ちにも余裕が生まれ、いざという時のストレスも減らせる。長距離走と同じで、自分のペースで長く続けてほしい」と呼びかける。

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