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左利きで読字障害でもすらすら書ける万年筆 英国出身の男性が探し求めた日本製「手の動きに寄り添うように滑らかに」

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左利きでディスレクシア(読字障害)がある自分に合う万年筆には、もう一生出合えないかもしれない―。そんな思いを抱えた英国出身の男性。独特の書き方ゆえにペン先が傷むため、長年万年筆を使うことを諦めていた彼の人生を劇的に変えたのは、日本の老舗メーカー・パイロットの「カスタム742」でした。

パイロット社への感謝を綴ったXへの投稿には1.7万件のいいねがつき、共感の声が相次ぎました。投稿したのは、イギリス出身で現在は日本を拠点にゲームデザイナーとして活動するオリー・バーダー(@Cacophanus)さんです。

オリーさんと万年筆の付き合いは、7歳の頃から。当時はイギリスの寄宿学校に通い、教育の一環として万年筆で英国式筆記体を書くことが必須でした。しかし、左利きで読字障害というオリーさんには苦悩がつきまといました。

「校則はかなり厳しく、全員がパーカー製の万年筆を使用することになっていました。もし一部の生徒がより高価な万年筆を使用していた場合、保護者が学校から注意を受け、パーカー製に変更するよう求められることも…。また、私は左利きで読字障害があったため、書字の特別指導を受けた結果、『紙を回して上から書く』という独特のスタイルに至りました」

その書き方は既存の万年筆の設計と合わず、ペン先が徐々に変形してしまうのでした。

「これまでの万年筆は、私の筆記角度に耐えられず、2〜3年でペン先が曲がって使えなくなっていました。最後に使っていたパーカーの万年筆も、現在ではペン先がほぼ変形してしまっています。そのため大学に入学した頃には、やむを得ずボールペンに切り替えることになりました」

そんなオリーさんにとって転機となったのが、日本製万年筆との出合いでした。

「そもそも今回新しい万年筆を探すきっかけとなったのは、昨年『ユニボール・ワン ゼント』という、従来の水性インクよりも筆記時の摩擦抵抗を軽減して書き心地にこだわった、性能の良いボールペンを購入したことでした。その後、芯が回ってトガり続けることでずっと細く綺麗に書ける『クルトガ』のシャープペンシルと出合い、こちらも購入しました。その流れで、『今なら自分に合う万年筆も見つけられるのではないか?』と思い、いろいろと調べ始めたんです」

自身の書き方に合う筆記用具を見つけることを半ば諦めていたオリーさん。しかし、日本製の筆記具が持つ高いポテンシャルを肌で感じ、長年の課題であった「左利きでも快適に使える、日常使いに適した筆記具一式」を揃えようと思い立ったのだとか。万年筆について調べる中で、パイロットの全方向性ペン先を知り、文具店に足を運んで試し書きをしたそうです。

「実際に書いてみた感触は本当に素晴らしく、まさに理想的でした。ペン先が紙に引っかかることもなく、手の自然な動きにそのまま寄り添うように滑らかにインクが流れました。乾きも早く、にじみにくさも感じましたね。その場で購入を決めました!」

オリーさんが購入したのは、16種類のペン先から自分に最適な1本を選べる「カスタム742」という万年筆の中でも、角度を問わずスムーズに書ける「ウェーバリー(WA)」という種類でした。

「いまのところ、この万年筆は日記を書くなどの日常使い用として使っています。久しぶりに筆記体で書くことに慣れるため、筆記体練習帳も購入しました。良い練習になっており、毎晩、就寝前に少しずつ書くことを楽しんでいます」

投稿には国内外から多くの反響が寄せられました。

「投稿を共有・コメントしてくださった方の数の多さには驚きました。特に、日本にこれほど万年筆に関心を持つ方が多いとは思っていませんでしたね。皆さまとても親切で、なぜこの万年筆を選んだのか、左利きでの書き心地はどうかなど、興味深く質問してくださいました」

◇◇

万年筆「カスタム742」を販売するパイロットコーポレーションの広報担当者にこの商品について聞きました。

―投稿にある万年筆のモデルについて。

当社の代表的な万年筆「カスタム742」です。カスタム742のペン先の種類は16種類あり、投稿のお写真に写っているものはウェーバリー(WA)というペン種だと思われます。

―ウェーバリーとはどのような特徴がありますか?

ウェーバリーというペン種は、「全方向対応」とまではいきませんが、さまざまな角度(ペンを立てて書いたり、寝かせて書いたり)に対応できるように、ペン先の先端に付いている紙に触れる部分の「ペンポイント」を丸く研いであります。

―オリーさんのような左利きの方には?

実際のところ、左利きの方は持ち方(書く方向、持つ角度、左右に傾ける等…)が様々なので一概には言えないのですが、投稿主様にはぴったりフィットしたようで良かったです。

万年筆「カスタム」シリーズ

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