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初のひとり暮らし……「電柱もチェックして」と言われたけど、なぜ? 物件探しで大事なのは“室内”だけじゃない、プロが注意喚起「SNSの投稿も危険」

宮前 晶子 宮前 晶子

「【新生活に向けて、引っ越し先を探している方々へ】 物件の内覧時には、部屋の中だけでなく、建物周辺もチェックしてください。 

例えば、マンションのすぐ横に信号機があり支柱に鉄条網がまかれています。つまり、過去に信号機の支柱をよじ登って侵入した事件があったと推察されます。 周囲に足場になるものがないかも確認してください。安全な新生活を迎えるために」

鉄条網が巻かれた信号機の写真とともにXで投稿された注意喚起。「盲点だった」という声とともに、共感する声が続出。なかには、「部屋探し」で気をつけるべき点を発信する人もいました。

進学や就職など、春からの新生活に向けた部屋探しは、佳境を迎えています。新生活に間に合わせるため、早く物件を決定したいと焦る気持ちを持ち始める時期でもありますが、どこでどんな物件に住むのかは男女問わず大事なこと。

今回、注意喚起をおこなった松永弥生さん(一般社団法人痴漢抑止活動センター 代表理事@scbaction 以下 松永さん)に取材。そして、不動産会社の取締役のなかゆーさん(なかゆーホンネ不動産の人(東京) @ichikaritokyo、以下なかゆーさん)に、プロとしての注意点を聞きました。

建物に接近の電柱に「2階以上でも侵入される!」

「ひとり暮らしの部屋を決める際、特に女性の場合、オートロック・2階以上・防犯カメラの有無などを防犯対策として挙げます。また、快適に暮らせるような設備や仕様かもチェックするし、駅からの道のりも確認事項には入っていると思います。

でも、建物まわりまで気を回すことって少ないのではないか?と思ってXで投稿しました」

そのきっかけとなったのが、先述のトゲトゲの金属板<一般呼称は、忍び返し・(しのびがえし)・登攀防止板(とうはんぼうしばん)・電柱用登攀防止金具など)>を巻き付けた信号機を、歩いていたときに発見したことでした。

「賃貸マンションのすぐ横に立つ信号機に有刺鉄線がなければ、よじ登って上階のベランダにたやすく侵入できる、と気づいてゾッとしました」

初めてのひとり暮らしは何が危険か、どこを見ることで快適性が保てるかわからなかったという松永さん。10回ほどの引越し経験を経て、防犯対策の確認精度が高まってきた今だからこそ、「これからひとり暮らしをスタートさせる人には、知って欲しい」と話してくれました。

内見には昼だけでなく夜や休日など複数回行くことや、夜道が暗くないように道沿いの街灯を確認するなど周辺の確認もとても重要だと言います。

「知人の若い女性は、郵便受けが建物外に部屋番号がわかるように備えられている物件も、候補から外していました。自分の住んでいる部屋番号が通りを歩く不特定多数の人に見られるのは怖い、と。今回、紹介した有刺鉄線が巻き付けられた信号機、あるいは電柱や部屋番号が見える郵便受けのようなことって、書類だけではわからないです」

内見では室内だけではなく、周辺環境もチェック

東京23区や神奈川・千葉・埼玉で賃貸仲介サービスを展開する「ホンネ不動産」の代表取締役のなかゆーさんにも話を聞きました。XやYouTubeで、ひとり暮らし・賃貸物件についてのライフハックを発信し、部屋探しから退去まで賃貸で暮らす際に生じるさまざまな疑問やお困りごとに対して的確なアドバイスを行っています。

女性のひとり暮らしの部屋探し段階で、見過ごしがちだけど注意すべきポイントについて、「室内設備ばかり見て、共用部や物件の周辺環境を見落とすのはありがちです」となかゆーさん。

どんな環境なのか、治安は良いかを探るために、特に注意して欲しいのはこちらの3点。

●集合ポストの周辺が荒れていないか
●ゴミ捨て場など、共有エリアがきちんと管理されているか
●掲示板に「騒音注意」などのマナーについての貼り紙がないか 

上記以外でも見落として欲しくないこととして、地域の防犯治安のチェックを挙げます。

「『警視庁の犯罪情報MAP』はオススメ。調べたい住所を入力すると地図上に、子供・女性に対する声かけ、つきまとい、侵入窃盗、ひったくりの犯罪件数などを表示させる事ができて、治安の良し悪しが大体確認できます」

物件近くのコンビニや公園のトイレ使用有無や、コンビニの陳列棚のチェック、自動販売機や無人ATMの有無、道路へのタバコ・ゴミのポイ捨て、道路・壁への落書き、「痴漢に注意」「ひったくりに注意」などの注意喚起看板の有無も見極めポイント。

駅からのルートなど、朝昼夜で雰囲気が変わる地域もあるため、実際に歩いての確認を推奨しています。

新生活スタート後も常に防犯を意識して! 

物件と周辺環境を確認し、「防犯対策は問題なし!安心して暮らせる」と思っても油断は禁物です。

なかゆーさんは、入居後の暮らしについて、以下の点を提案します。

●洗濯物は外に干さない
●表札にフルネームを出さない
●宅配の伝票など住所名前がわかるものをそのまま捨てない
●帰宅時に後ろを確認する習慣をつける
●カーテンを女子っぽい柄や色のものにしない

また、SNSへの投稿にも注意が必要。「自宅近くの情報を載せたり、部屋の中(特に窓の外が見える状態)を載せたりするのはNG。住所特定に繋がる可能性があります」。

なかゆーさんも、セキュリティがしっかりしているオートロック付きマンションに住んでいた時の体験を教えてくれました。

「防犯を気にして、毎日家に着いたら鍵をすぐにかけて戸締りは習慣にしていました。でも、ある日、鍵を締め忘れてそのまま寝てしまったのです。朝、目が覚めたら、知らない男の人が部屋でうずくまって座っていて…。

頭が真っ白になりながら、とりあえず話しかけたものの動かない。恐る恐る近づいて見てみたら、酔っぱらっているようでうずくまりながら寝ていました。

警察を呼んで、連れ出してもらいましたが、横の住人が酔っぱらって部屋を間違えてただけ、というまさかの結末」。

何もなくて良かったと話すなかゆーさんですが、「戸締まりはしっかりしないといけない、と改めて学びました」。

同じ住居で暮らす人が間違えて部屋に入ってしまうケース、あるいは故意に忍びこむケースもあります。また、オートロックマンションであっても、住人と一緒にエントランスを通り抜ける共連れ侵入で、マンション内に入り込んで発生した事件もありました。

安心に絶対はありませんが、可能な限りの危険度チェックと防犯対策を。穏やかな暮らしや自分の身を守ることに繋がります。

■痴漢抑止活動センター|痴漢対策|バッジ無料配布中。X @scbaction
■なかゆーホンネ不動産の人(東京) X @ichikaritokyo
■株式会社ホンネ不動産 https://honnne.com/

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