みなさんは、自身が住む街に「愛着」や「誇り」を感じていますか。株式会社読売広告社(YOMIKO/東京都港区)の都市生活研究所が実施した「シビックプライド調査」によると、総合ランキングは「中央区(東京都)」、継続居住意向ランキングでは「鎌倉市(神奈川県)」がそれぞれ1位を獲得しました。
調査は、全国の住民人口10万人以上の278自治体に居住する20~64歳の男女を対象として、2025年11月にインターネットで実施され、有効回収数は4万9778件でした。
なお、ランキング化するにあたり、「愛着(この街に愛着を持っている)」「誇り(この街に誇りを持っている)」「エンゲージメント(この街と自分の人生は切り離せない)」の3指標のスコアを足し上げ300点満点化、小数点第二位までを算出しています。
シビックプライドとは、その都市に対する誇りや愛着のことで、都市をより良い場所にするために自分自身が関わっているという当事者意識に基づく自負心のことで、近年まちづくりや自治体政策づくりにおけるキーワードとして注目を集めており、国土交通省も都市再生の視点でシビックプライドの重要性に着目しているといいます。
同社の調査の結果、総合ランキングは、1位「中央区(東京都)」(219.32pt)、2位「港区(東京都)」(217.03pt)、3位「高槻市(大阪府)」(216.70pt)がTOP3となりました。
1位の「中央区」は、銀座や勝どき・晴海エリアのタワーマンションが林立する近未来的な都市の風景、超都心ならではの抜きんでた交通アクセスの良さ、日本橋エリアに残る歴史的建造物や歌舞伎座などの伝統文化が高評価だった。人形町や八重洲、八丁堀などの「歩きたくなる個性豊かなまちの魅力」と「公共施設や公園に対する評価の高さ」も1位を獲得する要因となりました。
また、2022年にオープンした「本の森ちゅうおう」をはじめ、「隅田川テラス」「太陽のマルシェ」「大江戸まつり盆踊り大会」に代表される地域イベントの存在が、住環境やワークライフバランスに対する満足度の高さ、継続居住意向の高さなどに繋がり、シビックプライド向上に貢献していると考えられます。
3位にランクインした「高槻市」は、大阪・京都のベッドタウンとして、交通利便性や生活利便性の高さから「住み続けたい」街として評価されていました。今回さらに、「遺跡」という歴史資産を活用して街の魅力を伝える“ストーリー性”が高まった点に加え、かねてより進行している駅前再開発、地域密着型のショッピングセンターの開業、府内初となる子どもの医療費完全無償化など、暮らしやすさをアップデートしつづけている点がランキング向上に貢献したと考えられます。
20~30代の1位は「高槻市(大阪府)」
20~30代が選んだランキングを見ると、1位「高槻市(大阪府)」、2位「明石市(兵庫県)」、3位「西宮市(兵庫県)」と、関西圏の都市がTOP3を独占。逆に50代以上では、1位「中央区(東京都)」、2位「文京区(東京都)」、3位「渋谷区(東京都)」と、東京都23区で占められ、年代によって対照的な結果となりました。
TOP3の関西都市における20~30代が、地域へのコミットメント(地産地消や地域のための活動参加、地元企業応援)が高いのに対し、50代以上のTOP3の都市は、自分好みの過ごし方ができるか(お気に入りの風景がある、散策や散歩をする)が若年層に比べて高い傾向にあります。
また、20~30代ランキングでは、TOP10内に九州エリアの都市(鹿児島市、福岡市、那覇市)が入るなど、東阪以外の都市の台頭が目立ちました。
さらに、男女別で見ると、総合では7位だった「文京区(東京都)」が男性で1位となった一方、女性1位は「港区(東京都)」(総合2位)でした。
文京区では、地域との関わりや伝統・歴史・文化の豊かさが高く評価され、港区は新しい変化や刺激・情報に触れることができるという点で平均を大きく上回る評価を得ました。
また男性では、TOP10のうち5つが関西圏の都市だったのに比べ、女性では関西圏の都市は2つのみ、札幌市や函館市など北海道エリアの都市が入るなど、男女でランキングの顔ぶれが異なる結果となっています。
なお、定住に関わる「今後もこの街に住み続けたい」ランキングは、住民とまちとのエンゲージメント・まちへの関与意向の高さが継続居住意向につながった「鎌倉市(神奈川県)」が1位を獲得しました。