2020年冬、25歳のときに悪性リンパ腫と診断され、一度は治療を乗り越えた女性。しかし、妊娠出産を経験した数年後に、今度は乳がんの告知を受けることに…。そんな自身の闘病体験をXに投稿した女性が注目を集めています。投稿したのは、現在一児の母で闘病中のかなさん(@kananan_95)。自身の闘病や妊娠、出産、そして再びがんと向き合う現在までを率直につづった内容に、多くの励ましの声が寄せられました。
かなさんが最初に異変を感じたのは25歳の頃。原因不明の体調不良が続き、複数の病院を受診しても明確な診断がおりない状況が約4カ月も続いたといいます。
「初診では良性の『菊池病(良性リンパ節炎)』と診断されました。これは、リンパ節が腫れて痛みや熱が出るものの、基本的には自然に治る良性の病気です」
しかし、大学病院へ行くと「悪性疑い」に転じるなど、診断結果が二転三転。
かなさんは体調が悪化する中で自ら情報を探すうち、自身と似た症状の悪性リンパ腫を経験した女性の闘病ブログを見つけ、「自分もがんかもしれない」と覚悟が決まったそう。その直感を信じ、医師に生検(患部の一部の組織を切り取って詳しく調べる検査)を強く希望したことで、確定診断へとつながりました。こうしてようやく「悪性リンパ腫」と診断された頃には、安堵と恐怖が入り混じった感情が湧いたといいます。
「やっとこの体調不良に診断がついた、治療が始められる…という安堵と、抗がん剤を使って耐えられるのか?このまま生きられるのか? という不安でいっぱいでした」
一方で、医師から抗がん剤の効果や限局期(がんが一部の範囲に留まっている状態)であることを丁寧に説明され、「今すぐ命に関わる状況ではない」と正しく理解できたことが、気持ちを立て直すきっかけになったと振り返ります。また通院先の病院で紹介された、患者支援センター(病気による生活の不安や心のケアを専門スタッフがサポートする相談窓口)のカウンセラーの存在も大きな支えとなったそう。病気への恐怖や将来への不安を何度も吐き出す中で、「この出会いがなければ、長い治療を乗り越えられなかった」と感じていると語ります。
その後、抗がん剤治療を経て「寛解(かんかい)」し、2023年に結婚、出産を経験したかなさん。「若くしてがんになり、その後に妊娠・出産した人の情報が少ない」と感じ、SNSでの発信を始めたといいます。
「『一緒に頑張っている気持ちになります』という声がSNSに届くようになり、自分の経験が誰かの希望になっていると実感しました」
新米ママとして忙しない日常を送る中で、次第に病気の存在を意識しない時間が増えていったそう。しかし、29歳で第二子を検討し妊活中だった2024年冬のある日、左胸に小さなしこりが見つかります。過去の経験から「早く白黒つけたい」と考え、すぐに病院を受診することに―。
「『自分はまだ20代だから』とどこか過信していて、これまで乳がん検診などは一度も受けたことがありませんでした。主治医からも『寛解して1年経つので、健康な人と同じように考えていい』と言われていましたし、妊娠中はむしろ、以前より元気なくらいだったんです。時にはホルモンバランスの変化のせいか、ふとした瞬間に『この幸せの絶頂で再発したらどうしよう』と不安に襲われ、夜に泣いてしまうこともありました。ただ、『何かあれば悪性リンパ腫の経過観察で見つかるだろう』という甘い考えもあり、『きっと良性の線維腺腫だ』と自分に言い聞かせていましたね」
しかし検査の結果、乳がんと判明。診察室で医師の表情が変わった瞬間、結果を悟ったかなさんは一度涙を流した後、「先生、妊孕性温存(がん治療前に卵子や精子、受精卵などを凍結保存しておく医療的な取り組み)ができる病院で治療したいです」と伝えるなど、すぐに気持ちを切り替えたと話します。
今回の乳がんについては、悪性リンパ腫の治療で行った放射線照射などが遠因となって数年後に発生する「二次がん」の可能性も示唆されたそう。とはいえ、「リンパ腫の治療をやり切ったからこそ、今の人生がある」と、過去の選択に後悔はないと語ります。
告知直後、かなさんの支えとなったのは夫と息子の存在でした。
「夫とは付き合って一年目に悪性リンパ腫となり一緒に乗り越えてきたので、今回の乳がん治療に際してもとても心強かったです。がんが再発、転移するかもしれない中で覚悟して結婚してくれているので、文字通り『病める時も健やかなる時』も支えてくれる、頼もしい存在です」
また、がん患者である前に、「母親として息子を育てなきゃならない、成長を見届けなきゃならない」という思いや、日々の忙しさが病気のことを忘れさせてくれたといいます。
乳がんの判明後、かなさんは左胸全摘手術を経て、現在は再発予防のための薬物療法を継続中。今後は5月に予定されている乳房の一次再建手術に向けて調整を進めつつ、温存した受精卵による将来の可能性も視野に入れながら長期的な経過観察を続けていく見通しです。
二度のがんを経験した今、かなさんは同じように病と向き合う人たちに向け、「1人じゃない」と伝えます。
「『なんで私が…』という言葉が浮かぶことは少なくないと思います。でも、起きた事実を受け入れて治療するしかない。告知を受けて思い切り泣くことも大事な過程です。反対に、涙が出ない人もいるでしょう。絶対に受け入れたくない人だっているはず。みなさん、いろんな感情を抱えながら、自分と向き合って闘病していると思います。人それぞれ、考え方や受け入れ方は違いますが、『快方に向かいたい』という気持ちは一緒。みんなで打ち勝ちましょう」