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不安だった小学校の入学式 ダウン症について保護者へ話をしたことで状況に変化が…ママの勇気に「素敵なご両親」「知ることで学べた」

五ヶ瀬 あお 五ヶ瀬 あお

「ダウン症と聞くと、『似たような顔つき』と思われる方が多いかと思いますが、その他の大きな特徴としてはーー」

とある小学校の入学式。新1年生全員の保護者の前で、ダウン症である娘について伝えた母親のスピーチがInstagramで反響を呼びました。

話をしたのは、ダウン症の女の子、なっちゃんを育てるわたなべあゆみさん(@21tgirlll)。ダウン症(21トリソミー)とは、通常2本である21番目の染色体が3本あることで発生する先天性疾患で、筋肉の緊張が低く、発達がゆっくりと進む傾向があります。

なっちゃんも発達年齢は3歳ほどで、トイレトレーニングや発語の面で不安があり、進学先は特別支援学校を考えていたといいます。小学3年生になるお兄ちゃんにとって負担にならないかも、不安材料の一つだったとのこと。

しかし、県の判定会では、「人が好きでコミュニケーションが取れること」「学ぶ意欲があること」「集中して座っていられること」などが評価され、支援級での就学が決定。うれしさ以上に、複雑な気持ちになったというあゆみさん。

『同じ小学校に通える!』と兄が手放しで喜んでくれたことや、地域で一緒に育ってきたお友達と同じ学校へ通えることにうれしさを覚えながらも、やはり押し寄せてくるのは不安ーー。そんな中で、少しずつ小学校の支援級進学の準備を進めていきました。

そして迎えた入学式。あゆみさんは事前に先生にお願いし、新1年生の保護者たち全員の前で、なっちゃんについて話す時間を設けてもらいます。以下は、話した内容の一部です。

「ダウン症と聞くと『似たような顔つき』と思われる方も多いかと思いますが、その他の大きな特徴として『筋肉が弱い』ことがあげられます。

体中の筋肉が弱いので歩けるようになったのも3歳を過ぎてからだったし、口の中の筋肉も弱いのでおしゃべりも、それでも話せるようにはなってきたけれど、まだまだ不明瞭です。

お子さんが不思議に思ったり、疑問を持った際には『生まれつき筋肉が弱くてゆっくり成長しているんだって。いろんな子がいるよね』と一言フォローしていただけたらものすごくありがたいです」

スピーチでは、なっちゃんがダウン症であることがわかった産後の時期に抱えた不安や、その後の気持ちの変化についても率直な思いを告白。

「『知らない』ということが不安や偏見を生むし、『知る』ことが共に生きていく共生社会の第一歩になる、ということを身をもって感じています」

あゆみさんの思いを真っすぐに伝えたスピーチには、「勇気ある行動に感動しました」「すべての障がいに対して、このような機会が設けられることが理想ですよね。そういった風潮が世の中に浸透することを願います」「楽しい小学校生活になることを祈っています」といった温かいコメントが多数寄せられています。

入学式前日まで不安でいっぱいだった… あゆみさんに話を聞いた

ーー小学校の支援級への進学が決定した後、入学式を迎えるまでの心境の変化や準備したことについて教えてください。

「正直、判定が決まったときから入学式前日まで、心境はほとんど変わらず、信じられない気持ちと、大丈夫かという不安でいっぱいでした。

けれど入学式の前日、学校で式の予行練習をしていただき、実際になっちゃんが教室に入り、お名前の書いてある席に座ったとき、本当に入学するんだという実感がすごくわいてきました。

今まで仲良くしてくれた大好きなお友達、同じ地域の子どもたち、そして同じ幼稚園に通うことができなかったお兄ちゃんと、同じ学校に通えるんだと思ったら、涙をこらえるのに必死でした。

このとき初めて『支援級』に行けることを現実として受け止められ、そして本当に有り難く、幸せに感じました。

きっとここが、娘が進むべき道で、娘なら大丈夫だと思うことができました」

ーー実際に入学式で話をしてみて、いかがでしたか?

「一番に思ったことは、『温かい世界だな』ということでした。話している時は、まっすぐに目を見て聞いてくださる方や、涙を流してくれる方もいて、自分が想像していたよりもずっとずっと優しい空間でした。

そして入学式後も、何人かの保護者の方から話しかけていただいたり、『出産のときのことも思い出して泣けちゃいました』とご自身のお話をしてくださる方がいたり…。娘が少しでも過ごしやすくなるように、と話したつもりが、私に対してまで優しい言葉をたくさんたくさんいただいて、娘をきっかけにまた温かい世界を知ることができました」

“これから先も、入学式での経験が背中を押してくれる”

ーーInstagramにも多くのコメントが寄せられましたね。

「はい。Instagramでスピーチ全文を載せたところ、数多くのコメントをいただきました。一つひとつ読ませていただいて、温かく優しい言葉に、今回の行動をまるごと肯定していただいた気持ちです。

ダウン症のお子さんをもつ先輩ママさんが言ってくれた、『伝えることはエネルギーがいるし、頑張らなきゃいけない場面もあるよ。でもね、それが全部なっちゃんに返ってくるからね』という、お守りにしている言葉があります。

実際に保護者の方々へ話してみたら、なっちゃんだけでなく私自身にも返ってくるものがたくさんありました。

これからも娘が成長していく過程で、周囲に伝える必要がある場面が出てくると思います。

勇気がいることだけれど、この入学式での経験が背中を押してくれる。娘の入学式は私たち親子にとって、本当に大切な1日になりました」

『なっちゃんを通して、世の中のダウン症に対する見方を明るいものに変えていく』とSNSや書籍での発信活動を行っているあゆみさん。明るい笑顔が印象的ななっちゃんとともに、これからも家族の歩みは続いていきます。

■わたなべあゆみさん関連情報
Instagram:https://www.instagram.com/21tgirlll/
書籍:『ダウン症という個性をもった なっちゃんが教えてくれたこと』
きょうだい児に向けた書籍:『だいすきなあなたに伝えたいこと』

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