懐かしい思い出を共有する楽しさは、時代が変わっても色あせないものです。かつて夢中になった流行が、数十年後の絆を深めるきっかけになるかもしれません。金沢真之介さんが描いた作品『50年後の平成女児』が、SNSで大きな反響を呼んでいます。
物語の舞台は、今から50年後のとある老人ホームです。入居者の安井が「プロフ帳書かない?」と切り出したことをきっかけに、かつての平成女児たちは一気に童心に帰ります。
一方、職員の木田は「プロフ帳」を知らず、首をかしげます。安井は、かつて友だち同士でプロフィールを書き合うのが流行っていたことを説明すると、木田から「カルチャーの授業で習った」と衝撃の返答が。自分たちの青春が“歴史”として扱われている事実に、2人は思わず大笑いします。
そんな中、この話に加わる入居者の杉山は安井がもう1冊、別の手帳を持っていることに気づきます。それは、かつて多くの子どもたちが夢中になったシール帳でした。タイル風のものや、匂い付きのシールを集めていたことを思い出し、2人は懐かしさに笑みをこぼします。今ではお薬手帳ばかり増えていく、と冗談を言い合い、場は和やかな雰囲気に包まれます。
そしてこのシール帳、安井はフリマアプリで手に入れたのだと明かします。終活中の遺品整理として出品されていたものだったそうで、その話に一同は大笑いします。「もうすぐ自分も逝くけどね」と冗談めかして話す安井に、木田は「コンビニじゃないんですから」と呆れ顔を見せるのでした。
一方、別の場所では、かつて同人作家として活動していた斉藤が、再び筆を取ろうかと悩んでいました。その思いを、同じく元同人作家だった仲間の木村に相談すると、「一緒に描こう」と話が弾みます。
そこへ声を聞きつけた別の入居者の花田も加わります。彼女は元コスプレイヤーだったことが明かされ、場はさらに盛り上がります。SNSで使っていた名前を明かすと、「フォローしていました」と話がつながり、世代も立場も超えた交流が生まれていきます。
やがて彼女たちは、バーチャル空間で開催されるコミックマーケットに参加します。ホログラムのリアルさに驚いたり、偶然孫を見つけて声を上げたりと、それぞれが思い思いにイベントを楽しむのでした。
読者からは「これが真の平成一桁ガチババアか、、」「年寄りのツボ押さえすぎてて好き」など、称賛の声が多くあがっています。そんな同作について、作者の金沢真之介さんに詳しく話を聞きました。
50年後も「好き」を続ける未来
ー「今から50年後の老人ホームが舞台」という設定はどのように思い付いたのでしょうか?
妻がふと『わし昔ボカロPだったんじゃ』と言い出したのがきっかけです。
ー平成時代や令和レトロ、終活でシール帳を購入するなど、とても斬新でした!こちらはどのようなことから着想を得たのでしょうか?
最近流行っている平成リバイバルを元に、「平成っ子達が老人ホームに入ったら?」という視点から着想を得ました。
ーもし本当に50年後の自分がこの老人ホームにいたとしたら、作者さん自身は何を持ち込んだり話したりしていると思われますか?
高性能パソコンと液タブを持ち込んで、妻の考えた漫画の原作を描いてると思います。あと歳を重ねたアシスタントさん達と漫画の話をしていたいです。
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