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突然失った聴覚 言葉を取り戻したい母と音読の練習に疲れた娘 手話で取り戻したコミュニケーションの喜び 実話漫画に胸が熱くなる【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

多くの人にとっては当たり前に存在している「音」。音のない世界を想像したことはあるでしょうか。

X(旧Twitter)に投稿された『手話を知らなかった子ども』(作・あかねさん)は、作者が手話サークルで出会った友人の話に基づき描いた作品で、耳が聞こえない少女が笑顔を取り戻すまでを描いています。

主人公の朋子は子どもの頃になった中耳炎の影響により、突然耳が聞こえなくなりました。その後、市の職員にろう学校への入学をすすめられますが、朋子の母は、手話だけの環境で子どもがちゃんと育つのかと疑問を抱きます。そして母の教育方針で、普通の小学校に転校することになりました。

耳の聞こえない朋子にとって、音のない世界は厳しい現実でした。学業や友達の会話にもついていけず孤立してしまいます。一方、家庭では母が音読の練習を何度も繰り返します。母の思いとは裏腹に、朋子の心は次第に疲れ、笑顔は消えていきました。

そんなある日、テレビで流れていた手話レッスン番組が、朋子の目にとまります。思わず胸が高まりほほ笑みますが、手話に否定的な母に見られるとまずいと思い、慌ててテレビを消しました。

それから月日は流れ、朋子は専門学校に進学します。そこで出会ったのは、手話でやり取りをしている同級生でした。朋子はとっさに同級生に声をかけますが、うまく言葉になりません。

せっかく出会った同じように耳が聞こえない人との交流のチャンスを逃さないために、朋子は勇気を出して筆談で「手話を教えてほしい」とお願いします。朋子の願いに同級生2人の表情はほころび、快諾してくれました。十数年ぶりかの手話でのコミュニケーションに、朋子の心に眠っていた感覚が呼び覚まされます。その瞬間、朋子の表情には、幼いころに見せたような満面の笑みが戻ったのでした。

耳が聞こえない人にとって、手話がどれだけ大切なのかを描いた同作について、作者のあかねさんに話を聞きました。

きこえないとわかった途端、会話を諦めてしまう人は少なくありません

ー同作を書こうと思ったきっかけを。

同作のモデルとなった方に、「きこえないこと」を理由に孤立してしまった経験を聞き、強い衝撃を受けました。こうした経験をしている人は他にもいるかもしれないと感じ、許可をいただいたうえで描きました。

ー“親の願い”と“本人の苦しさ”について、どのような思いで表現したのすか?

きこえる親にとっては、「将来苦労しないように」と願うのは自然なことだと思います。ただ、きこえない子どもは音声だけでは言葉が身につきにくく、周囲とうまくコミュニケーションが取れず孤立してしまうことがあります。 

大事なのは本人がストレスなく人と関われる環境をつくることだと感じています。手話という選択肢を最初から取り除くのではなく、子どもが選択できるようにしてあげられるようになればいいなと思っています。

ー耳が聞こえる人もそうでない人も、心地よく過ごせる社会にするために必要なことは?

きこえるきこえない関係なく、「この人とお話をしよう」という気持ちをもつことが大事だと思っています。きこえないとわかった途端、会話を諦めてしまう人は残念ながら少なくありません。筆談や身振り手振り・スマホのアプリなど、音に頼らない会話手段を使ってみようという意識をぜひ持ってほしいです。

この漫画を通じて、きこえない・きこえにくい人への理解が深まり、手話が大切な言語のひとつであることが伝わればうれしいです。

<あかねさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/akanedeaf
▽Instagram
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▽pixiv
https://www.pixiv.net/users/2182270

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