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日本の英語力は世界123カ国中96位…「理解はできるが使いこなせない」課題顕著に

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

日本の英語力は世界123カ国中96位――そんな調査結果がイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社(東京都渋谷区)による「EF英語能力指数(EF English Proficiency Index/以下、EF EPI)」の第15回調査(2025年版)でわかりました。

調査は、世界123の国と地域の成人(18歳以上)約220万人を対象として、2024年1月〜12月に実施されたオンライン英語テスト「EF SET(Standard English Test)」および「EF Placement Test」の受験データを集計・分析し、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能をCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいてスコア化したといいます。

調査の結果、「EFEPI英語能力指数世界ランキング」のTOP3は、1位「オランダ」(スコア624)、2位「クロアチア」(同617)、3位「オーストリア」(同616)となった一方、「日本」は2024年に続き96位(同446)で、アジア平均(同477)を下回り、「マレーシア」(24位/同581)や「フィリピン」(28位/同569)など英語教育の進む国々との差は依然として大きい結果となりました。

2025年調査からAIの導入により、発音・即応性・文章構成など、従来は測定が難しかった部分が可視化され、4技能間のバランスがより精緻に分析できるようになっており、EF EPI分析チーム責任者ケイト・ベル氏は、「日本では、読む・聞くと比べて、話す・書くのスコアが相対的に伸びにくい傾向があり、今回のAI評価によってその差がより明確になりました。英語力全体の停滞は世界共通の課題ですが、日本では4技能のバランス改善が鍵となります」と述べています。

地域別では、「関東」(478)が最も高く、「中国地方」(436)が最も低い結果となり、都市部・地方での英語力の差が示されました。首都圏を中心に英語を使うビジネスや留学ニーズが高まる一方で、必ずしも全ての地域で同じように学習機会や必要性が高まっているとは限らないことがうかがえます。

また、18〜25歳の若年層のスコアが全世代で最も低く、本来は学校教育やオンライン学習などで英語に触れる機会が多いはずの世代であるにもかかわらず、指数上は十分にスコアに結びついていない現状が示されました。

デジタルネイティブ世代が「字幕やテキストで理解する英語」にとどまり、「自分の言葉として話す・書く経験」が相対的に少ない可能性も含め、EF EPI分析チームでは“AI時代に特有の英語との向き合い方”として今後も継続的な検証が必要だと考えています。

2025年版のEF EPIでは、オランダ、クロアチア、オーストリア、ドイツが上位を占め、ヨーロッパ諸国が引き続き高い英語運用力を示しました。これらの国々では、理科や社会などを英語で教える「CLIL教育」や、実演型評価(口頭試験・即時ディスカッション)が広く導入されており、教師自身の英語基準や研修制度の高さも、英語力向上に寄与しているといいます。

AIによるスピーキング・ライティング評価を導入したことで、世界の半数以上の国でスピーキングが最も弱いスキルであることが初めて明らかになりました。これは、読解や聴解中心の教育では限界があることを示しています。

日本においても、AIを活用した発音・作文評価や、ビジネス現場での英語実務の標準化などを通じて、「理解する英語」から「使いこなす英語」へと転換していくことが期待されるとしています。

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