今から2年前、キジ白の男の子「シエル」くんは、ひとりぼっちでXユーザー・BigBobさん(@BigBob_BB)宅の庭に現れました。ひどい目やにで両目はふさがり、明らかに命を落とす瀬戸際の状態だったといいます。「このまま放っておけない」。そう感じた飼い主さんは、その小さな体を抱き上げたのです。
ひとりぼっちで現れた子猫… 衰弱し視力を失う危機
2023年11月5日、飼い主さんは庭に小さな影を見つけました。よく見ると、それは目が腫れ上がった子猫。今にも消え入りそうなほど衰弱していました。
「ひと目で、このままでは失明してしまうだろうとわかる状態で、思うより先に体が動いて保護しました。手のひらに収まるほど小さい子猫を連れて、急いで動物病院へ。生後1カ月、体重わずか500グラムしかありませんでした」
子猫は猫風邪をひき、両目が炎症を起こしている状態でした。
「とくに右目の炎症がひどく、先生から『失明するところだった。右目は治らないかもしれない』と言われたのを覚えています」
その厳しい状況を耳にした瞬間、飼い主さんはふと「名前は、シエルにしよう」と決めたのだそう。
「『黒執事』という漫画の主人公が右目を眼帯で覆っているんです。子猫の姿がふと脳裏で重なりました」
真っ暗な視界の中をさまよいながら、飼い主さんのもとへたどりついたシエルくん。小さな命が、再び光を取り戻せるかどうかーー、ここから治療の日々が始まりました。
失明は避けたい… 2カ月の治療の結果は
当時、飼い主さん宅には2匹の先住猫がいました。猫用のフードやトイレなど必要なものはそろっていたため、シエルくんをすぐに迎え入れることができたといいます。
「猫風邪と目の治療のため、2週間ほど1日おきに通院しました。3種類の目薬を毎日6、7回点眼。それを2カ月続けました。失明だけは避けたい、そんな思いでいっぱいでした」
懸命なケアの結果、シエルくんは風邪を克服。深刻だった目も光を取り戻していきました。
「体調も悪い、目もよく見えない…シエルはしばらくずっと警戒モードでした。でも、回復するにつれて家での暮らしに慣れてくれて、心を開いてくれたんです」
撫でると、のどをゴロゴロと鳴らして喜ぶようになったシエルくん。本来の穏やかさと甘えん坊な一面が見えるようになりました。
「体重も順調に増えて体も大きくなりましたが、同じ年齢の子と比べると顔も体も小さめ。今でも見た目が子猫のようで、とてもかわいらしいです」
お腹すいた! 食べるの大好きなイケニャンに
シエルくんは現在2歳。好奇心旺盛で元気いっぱい、部屋中を駆け回っているといいます。
「とても食いしん坊になりました。ご飯の時間になると、甘えた細い声で鳴いてアピール! また、来客があるとサッとソファの下に隠れてしまうような人見知りでもあります」
これまでの道のりを思い返しながら、飼い主さんが今シエルくんに伝えたい言葉とはーー
「『うちに来てくれてありがとう! これからもいっぱい食べて遊んでね。もっと甘えていいよ!』と伝えたいですね」