サッカーJ1京都サンガFCサポーターの歓声がサンガスタジアム京セラ(京都府亀岡市)に響く。南部桂子さん(81)=同市=は表立った応援は控えるが、サンガが得点すると心の中でガッツポーズ。ファンが抱き合って喜ぶ姿を見るだけでも、一体感を覚える。
ボランティアグループ「京都SKYサンガクラブ」の一員として、入場ゲートでの手荷物検査や記念品配布などホーム戦の運営支援を担う。ハーフタイムにごみ収集に回るのに備え、待機する通路から“観戦”する。
京都市内の観光ガイドボランティアを長くしていたが、「地元に関わるボランティアをしたい」と2年前に同クラブに登録した。
サッカーのルールはいまだによく分からないが、応援歌は口ずさめるようになった。「サンガへの応援が自分への応援のように感じることもある」とほほ笑む。清掃に回ると相手サポーターから感謝されることもあり、やりがいを感じる。
ごみの回収と運搬を終えると帰路につくため、試合後半を見届けることはない。結果を知らぬまま家に戻り、観戦する知人から届く速報で勝敗を知る。上位で争う今季は吉報が多く、疲れを癒やしてくれる。
「試合に勝つとファンも増える。サンガを通じて地元の人たちが一つになり、亀岡が活気づくとうれしい」。元気をもらいに、大声援の後ろからチームとファンを支える。