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危険な道路をヨロヨロ歩く子猫「命が危ない」 体重350グラムの瀕死の状態から1年 家庭を明るく照らすムードメーカーに

梨木 香奈 梨木 香奈

黒猫の女の子「キキ」さんは、生後4週ほどの小さなころ、たったひとりで危険な道路を歩いていました。そんなキキさんを保護し、家族として迎えたのが、Xユーザー・三田尻さん(@mitajirishimizu)です。この出会いが、ひとつの小さな命を救ったのです。

小さな黒い影を抱き上げた日

2024年7月12日、飼い主さんが車で仕事へ向かっていたところ、狭い道を黒い子猫がよろよろと横切りました。あまりに弱々しい様子に、そのまま通り過ぎることはできなかったといいます。放っておけば命が危ない。そう感じた飼い主さんは、迷うことなくその場で保護しました。

「目やにがひどく、ほとんど見えていないようでした。近くの店に『猫が脱走するのでドアを閉めてください』と書かれた張り紙があったので、このお店の子ではないかと思って聞いてみましたが違うとのこと。恐らく親とはぐれたのだろうと…そのまま放置するわけにもいかないと思ったので連れて行くことにしたんです。それが、キキとの出会いでした」

仕事を終えると、飼い主さんはすぐにかかりつけの動物病院へ。そこで、キキさんの容態は思った以上に深刻であることがわかりました。

「目やにを除去してもらうと、かわいらしい目が出てきました。体重は350グラムで、低体温、脱水、貧血。血液検査もできないほど弱っていました」

入院も考えましたが、先生からは「家ならずっと見守っていられるから」とのアドバイス。キキさんを連れて帰宅することにしました。すでに先住の保護猫や保護犬たちと暮らしていた飼い主さんは、道すがら「里親を探すか、家族として迎えるか…」とさまざまな思いが交錯したといいます。

懸命なケアを経て… 保護犬猫と育んだ絆

家に着くと、キキさんの体調が回復するまで先住の犬猫たちと接触させないよう、別棟の母屋にケージを組み立てて過ごしてもらうことにしました。手を動かしながら、飼い主さんの中で気持ちは少しずつ固まっていったそうで…。

「キキさんの生活スペースを整えていくうちに、我が家で迎えることを決めていたように思います。日中は家人にキキさんのお世話を頼み、数日に1回の通院が始まりました。目ヤニや鼻水、ノミ、ダニ、寄生虫の処置をしてもらい、体温や脱水症状が落ち着いてきた頃に血液検査をしたところ、白血病と猫エイズは陰性という結果に。ホッとしたのを覚えています」

保護から3週間ほど経つとキキさんは順調に回復し、隔離生活を終えて先住の犬猫たちが暮らす建物へ移動しました。

「最初は、キキさんを警戒して近寄らない子も。こればかりは時間をかけるしかないと思いました。幸い、キキさんは柔軟な子で、新しい環境にもすぐ慣れてよく懐いてくれたのが嬉しかったですね。日を追うごとに先住猫や犬たちと相性が良いこともわかりました」

キキさんを3カ月近く警戒していた先住猫が、今ではいちばん仲良しになったというのも微笑ましいエピソードです。

いつも尻尾ピーン! ご機嫌なキキさんにほっこり

キキさんはすくすく成長し、現在1歳を迎えました。あの今にも消え入りそうだった子猫は、今では家庭のムードメーカーとして周囲を明るく照らす存在になっています。

「とても甘えん坊で、家中どこへでも付いてきます。おもちゃのぬいぐるみを投げると、くわえて持って来て『また投げて!』とアピール。満足するまで、しばらく付き合わされます。いつもご機嫌な子で、尻尾をピン! と立てていますね」

キキさんとの日々を振り返り、飼い主さんは「うちに来てくれてありがとう」と温かい思いを語ってくれました。これからも、にぎやかで幸せな毎日が続いていくことでしょう。

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