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屋外に半世紀近く置かれていた…「初代カップヌードル自販機」を昭和当時の姿でレストア中 「管が降りてきて蓋をプスッ」お湯を注ぐ仕組みも再現へ

そんでなライターズ そんでなライターズ

屋外で長いあいだ眠っていた「初代カップヌードル自販機」を再び動かしたい――昭和の雰囲気を感じさせる昔ながらの自販機をレストアする過程がXに投稿され、注目を集めています。投稿したのは、レトロ自販機の収集・修理を続けるK·YOSHIKIさん(@AE86_GTS)。

今回の投稿にある初代カップヌードル自販機を知ったのは、もともとSNSでの情報提供がきっかけだったそう。

「SNSにて情報提供を頂き、交渉を重ねて持ち主の方からお譲り頂きました。以前に改良型を1台入手したことがありますが、屋外に半世紀近く置かれていたので修理が厳しい状態でした」

この経験から、「状態のいい自販機は世の中にほとんど残っていない」とわかったのだといいます。

「どうにか初代カップヌードル自販機を復活させたいと思い、探し始めました。しかしそれにはもう1台ベースになる自販機を探す必要があり、今回入手できたのでやっとレストアをスタートできたんです。発表当時の姿で復元すること、また実際に使えるようにすることを目標にしています」

K·YOSHIKIさんは、メーカーが自販機を発表した当時の写真と見比べる中で、この機種が「初期モデル」であることに気付いたそう。

「日清さんが当時カップヌードル自販機を発表した頃の写真がサイトにあり、そちらを参考に比較したところ、取り付け金具などに違いなどがあることがわかりました。そして、前期型と改良型があることを発見したんです」

この自販機には、現在見ても驚くような構造が備わっているのだとか。

「まず、自販機で購入したカップ麺をそのままアクリル扉を開けて所定の位置にセット。アクリル扉を閉め、お湯を注ぐボタンを押すと自動でお湯を注入する管が降りてきて蓋に刺さり、適量分のお湯を自動で注ぐ仕組みになっています。1971年頃の当時からすれば、温かいご飯が即席で食べられることは、それまでの常識を変えた歴史的な自販機でもあるといえます」

この初代カップヌードル自販機は、現在レストアの真っ最中。

「復元作業にあたってすべてを分解し、欠品部品の確認や将来的に故障が見込まれる部品については図面化しておき、すぐに作成できるようにしています。奇跡的に前面の塗装状態やパネルの状態が良く、オリジナル塗装を活かしたレストア作業を現在行っています」

中でも苦労しているのは内部、とくに水回りの部分だといいます。

「内部の部品に関しては水回りの部分の修理に難航しています。主に内外の部分塗装や腐食部の修理、欠品部品・破損部品の複製、再メッキなどを行い、現代の改造を避けて手を加えたことを感じさせない新品状態に近い内部機構を目指しています」

またレストア完了後の構想について、次のように語ります。

「これまで数多くのレトロ自販機を復元してきましたが、将来的な目標であるレトロ自販機を集めた実際に使用できるスポットの開業に向けて日々、レトロ自販機の収集、修理作業を行っています」

今回の投稿には、「懐かしい」「昔よく利用した」という声が数多く寄せられたそう。「懐かしいという反応や、当時の思い出など、多くの温かいコメントを頂きました。今後も懐かしんで頂けるような投稿をしていきたいと思います」と語ります。

そんなK·YOSHIKIさんにとって、レトロ自販機の魅力とは何か聞いてみました。

「現代の自販機とは異なり、デザインや機種が豊富。当時を知っている人には懐かしく、知らない世代には目新しく映るでしょう。昭和時代のデザインや色味は、人を惹きつける魅力の一つだと思います」

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