自分の辛さを「わかってほしい」と思って打ち明けたのに、理解されずに突き放されてしまう。せっかく信頼して話をしたのに…とショックを受けたことのある人は少なくないでしょう。共感が得られないと、ただでさえつらい気持ちがさらに重くのしかかるものです。Instagramで漫画を投稿しているB.B軍曹さんもそんな体験を描き、多くの共感を集めています。
それは、B.B軍曹さんが病院勤務していた頃のこと。体調がすぐれず「お腹が痛いのでお手洗いに行ってきてもいいですか」と同僚の女性に声をかけます。すると同僚からは「生理痛は甘え」「理解できない」という言葉が返ってきました。
同僚のあまりに冷たい反応に、B.B軍曹さんは深く落ち込んでしまいます。「生理痛は人によって重さが違うのに…」と心の中で思いながらも、同じ女性から理解を得られなかったことが余計に堪えたようです。
帰宅後、B.B軍曹さんが落ち込んでいるところに旦那の髭さんが帰宅します。B.B軍曹さんは髭さんにこの出来事を話すと「今の時代にそんなこと言う人間がいるとはね」と驚きつつ、「理解できないじゃなくて理解しようとしていないだけ」「わからなくても共感や気遣いはできるから」と優しく語ってくれるのでした。
読者からは「ホントにその通りですね!」「同じ男として共感します」という髭さんへの賛同の声や、「他人にまで強要するのは違うかなと思います」「人が痛み苦しんでる時に甘えと言うのが理解不能」など同僚への非難の声があがっています。そんな同作について、作者のB.B軍曹さんに話を聞きました。
わからないからこそ、丁寧に向き合う姿勢
ー同僚の言葉、ちょっと信じられません。
ある日、お腹が痛くてお手洗いに行くことを伝えたとき、同じ女性から「どうせ生理でしょ?私はそういうの全然ないから、生理痛の辛さが理解できない。生理痛は甘えだ」って言われたんです。
もちろん、生理痛って人によって重さが全然違うのはわかります。軽い人もいるし、全く痛くない人だっている。でも、「私は辛くないから、辛い人のことは理解できない」って、わざわざ言わなくてもって思ってしまって。
理解できないこと自体は、別に悪いことじゃないと思うんです。でも、「わからない=どうでもいい」っていう態度で接されると、一気に孤独になるんですよね。ましてや、同じ女性だからこそ、どこかで「分かってくれるはず」って期待してた分、余計にモヤモヤしたのかなと思います。
ーどのような場面で髭さんが「相手への理解が深い」と感じますか?
髭は「わからないことこそ、雑に扱っちゃいけない」っていう考え方の人です。自分が経験してないことほど、むしろ丁寧に向き合おうとしてくれます。
たとえば生理のこともそうだし、体調の変化にしても、私が何かを言う前から「今日はちょっとしんどそうだね」「無理しなくて大丈夫だよ」って、静かに気づいてくれる。このわかろうとする努力って、性別とか関係ないんだなっていつも思います。
逆に、漫画や絵のことになると、今度は私の方が得意な立場になるんですが、髭はそこで「俺には分かんない」って投げ出すんじゃなくて、ちゃんと見ようとしてくれる。「これってどういう意図なの?」と真剣に聞いてくれるんですよね。
わからないなら聞けばいい。知らないなら学べばいい。その姿勢を見てると、「理解できる・できない」って、実はスタートラインでしかないんだなって思います。結局、「この人のことを大事にしたい」っていう気持ちがあるかどうかなのかもしれないなと。
ー髭さんの話を聞いて軍曹さんはどのように感じましたか!
「理解できないんじゃなくて、理解しようとしてないだけ」の一言を聞いて「だよね〜」と深く頷いてしまいました。たしかに他人の痛みなんて100%は分からない。でも、分からないなりに、大事にしようとする気持ちって、ちゃんと届くんですよね。
あの時の私は、生理痛よりも「分かってもらえないこと」が一番しんどかったのかもしれません。だから、髭の言葉で「あ、私の気持ちに手を伸ばしてくれた」って思えて、ふっと心が軽くなったんです。
共感って、完全な理解じゃなくても成立する、それを教えてくれたのが髭だったのかもしれません。
<B.B軍曹さん関連情報>
▽Instagram
https://www.instagram.com/b.bgunso/
▽書籍『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭・NGと書いてナイスガイと読む 編』
https://www.amazon.co.jp/dp/4391162725
▽書籍『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭・さては人生3周目だな 編』
https://www.amazon.co.jp/dp/4391162733