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浴場で幼児が「パパー、あちゅいね〜」と、1人でウロウロ→心配になって父親に声をかけると……返答に唖然 「危機管理能力がなさすぎる」

宮前 晶子 宮前 晶子

温泉で小さな男の子がサウナルームに入ってきたり、ひとりでお湯に浸かったり、浴場を歩いたり…それを見ていて不安になった、しーさん(@shi_suda)。心配になり、父親に声をかけると、「迷惑かけましたか?別に平気だろ」というセリフでした。 

そのときの状況について話を聞きました。また子どもの入浴・サウナでの危険性について紹介します。

迷惑かけたかどうかが、問題ではなく

しーさんが問題の親子に会ったのは、サウナ室。「私の隣に30代くらいの人が座っていたのですが、数分後に3、4歳ぐらいの男の子が“パパー、あちゅいねー”と言いながら入ってきました」。

サウナの入り口には『小学生以下は使用できません』と注意の文言がありましたが、父親は我が子に「ひとりで来れてえらいねー」と頭なでなで。しーさんは「このお父さん、常識ないのかな」と思ったそうですが、騒ぐ様子もないので特に気にせずに過ごしました。

しばらくしてしーさんがサウナを後にすると、その子もひとりでサウナの外へ。「そのままひとりで露天風呂へ行ったり、お風呂に浸かったり。 転んだら大変だし、溺れたりもするかもしれないのに、父親はその後も10分近くサウナから出てこなかったのです」。

当時、浴場にいたのは数人ほど。「大きな声をあげたり、走り回ったり他人に迷惑をかけたりはしていなかったので 小さい子がいるなーくらいにしか他のお客さんは考えていなかったと思います」。

しかし、男の子に何かあったら大変だ!と心配になったしーさんは、うかつに声をかけることで不審者扱いされることもあるので、男の子の様子を見守ることに。

ようやくサウナから出てきた父親に、「温泉施設をひとりで歩かせるにはまだお子さんは小さいです。危ないと思うのでちゃんと見ていてあげてください。サウナも小学生以下は入室禁止って書いてありますよ」と伝えたそう。

そのときに言われたのが、「迷惑かけましたか?別に平気だろ」という返し。「見ず知らずの他人にいきなり注意されたことに、怒りを露わにしている感じではありませんでしたが、“誰だ、お前?ほっといてくれよ”と言われたような印象を受けました」。

一連のできごとをつづる投稿には、父親の言動に疑問を抱く声が殺到しました。

「迷惑かけるかけないかではなく、自分の子どもなら一挙手一投足全部見て」「そうやって他人の子でも気にかけて見守ってくれる人が居るから今まで大きな事故や事件に巻き込まれずに済んでいただけかも」などのコメントに加え、「子どもは静かに沈んでいくのに」「子どもに怪我や万が一のことがあったらかわいそう」と子どもを案ずるものも。

「子どもには罪はないから、モヤモヤして……。今日は無事に終わったかもしれませんが、いつか重大な過失を起こしてしまわないか、心配です」としーさん。

注意したことを「私が間違ってたのかなー、違う言い方があったかな」とお風呂から上がりましたが、次にこういう状況になったら、従業員に伝えることにしようと考えているそうです。

子どものサウナやひとり入浴について、専門家は…

サウナの導入や運営支援事業、オリジナルサウナの提案などの企画などを行う「idetox(アイデトックス)」は、「子どもとサウナを利用する際には、注意点や知っておくべきことがあります」と注意喚起。

「サウナ利用に年齢制限はないものの、子どもは体温を調整する力が弱いなど、からだへのリスクを心配する意見もあり、ドイツやオランダのように推奨年齢を定めている国もあります」

日本は、施設によってサウナの入場基準や対応はバラバラ。しーさんが利用した施設のように、小学生以下の利用を禁止するケースもあれば、子連れでの使いやすさを配慮した低温サウナを設けている施設もあります。

それゆえ、「利用する保護者が子どものサウナ利用について注意点を知っておくべきこと」として、公式サイトで以下のように呼びかけています。

・必ず大人と一緒に入り、大人は注意深く子どもの様子を観察すること
・短時間(初めてなら1~2分程度)、サウナから外気浴を多くても2回
・サウナ後の水風呂は、吐き気やめまいを招く可能性があるため、控える
・サウナの前後に水分補給をしっかり行う

温泉で子どもを放置、命を落とす危険も

またお風呂は、実は事故が起こりやすい場所でもあります。長野県佐久医師会・佐久市による「教えて!ドクター」プロジェクトチームのXアカウント(@oshietedoctor)では、乳幼児の不慮の事故の中でも2番目に多い溺水について、たびたび注意喚起をおこなっています。

「溺れるとき、手足をバタバタさせて大声を出すのはドラマや映画のシーンでよく見られますが、実際は声出す余裕はなく、静かに沈んでいく」と伝えています。

投稿されると毎回反響が大きく、「知らなかった」のほかに「子どもがお風呂で沈んだ時、まさにこれだった」などの体験談も寄せられています。

同プロジェクトを運営する一員の小児科医の坂本昌彦医師は、幼い子をひとりでお風呂に放置してはいけない理由について教えてくれました。

「日本は浴槽文化でもあり、入浴時の溺水が多いといわれています。溺水し、予後良好だった患者の水没時間を調べると、88%が5分以内で発見されています。6~10分以内の発見になると、予後良好の患者7%、11分以上経過してからの発見では4%となります。

5分を超える水没時間は予後が悪く、脳に後遺症を残しやすいと報告されています」

わずかな水深でも発生するといわれる溺水事故発生後は半数以上が入院、死亡してしまうケースも。浴槽が深く、広い面積の温泉施設ではより一層の注意が必要です。

◇ ◇

父親(あるいは母親)との温浴施設利用は、本来子どもにとって素敵な思い出にもなる場所であると同時に、5分間見ていないだけでも事故につながる可能性があります。

しーさんは、「私もサウナが大好きなので、楽しみたいというお父さんの気持ちもとてもわかります。ただ危険と隣り合わせであることも確か。

目を離せば浴室内で転んで怪我をしてしまったり、サウナ内で脱水症状になってしまったり、お風呂で溺れて取り返しのつかない事故につながることもあります。お子様同伴の場合は、しっかりと目の行き届く範囲内で親子ともに楽しんでほしいです」と訴えます。

■しー Threads @shi_suda

◾️idetox HP(株式会社MY WAY SMART、公益社団法人日本サウナ・スパ協会加盟企業) https://idetox.jp

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◾️教えてドクター佐久  公式サイト https://oshiete-dr.net/dekisui/

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