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DMでつかんだ俳優の夢 ボディビル3連覇王者、ドロップキックマン役でスクリーンデビュー 「筋肉がなくても役をもらえるよう精進します」

石井 隼人 石井 隼人

ボディビル界のスパースターが俳優デビューを掴んだ。

しかもDMで。

『ベイビーわるきゅーれ』で知られる阪元裕吾監督待望の新作映画『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』(10月10日公開)に新たな逸材登場。3年連続でボディビル日本チャンピオンに輝いた相澤隼人(25)が、筋骨隆々の殺人ドロップキックマンとして俳優デビューを飾る。

個人で繋がる時代

きっかけはDM。俳優業進出への足掛かりを模索していた相澤は、大ファンである阪元監督に向けて己の熱い思いをぶつけてみた。それがまさか夢実現への第一歩になるとは思わずに。

「本当に“まさか…”でした。一昔前だったら、相手の居場所を調べて直接アタックするしか方法がなかったわけで、事務所に所属せずフリーでやっていて、しかも俳優経験皆無な自分になんてチャンスはありません。しかし今はSNSを介して個人同士が気軽に繋がれる時代。思い切ってやってみるものだなと思いました」

タイミングも抜群だった。奇しくも『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』製作中だった阪元監督は、物語にブーストを掛けてくれる逸材を探していた。3年連続ボディビル日本チャンピオンという唯一無二の存在感が琴線に触れたのは言うまでもない。

相澤のために生み出されたのは、ドロップキックだけで56人もの人間を闇に葬り去ってきた殺し屋・柳楽敦。主人公のポンコツ殺し屋・真中(松本卓也)に殺人ドロップキックを伝授する役どころだ。

講師経験が役立つ

一筋縄ではいかない阪元監督ならではの設定に正直な話、相澤はたじろいだ。と同時に可能性も感じたという。

「僕は柔道などの格闘技経験もあるのでアクションで上手く貢献出来たらとは思っていましたが、まさかの未経験のドロップキック。でも嬉しかったです。筋肉は良くも悪くも僕のイメージとしてあるものなので、相澤隼人=筋肉ではない部分でのオファーに可能性を感じました。とは言っても筋肉の演出はたくさんありますが…。筋肉がなくても役をもらえるよう日々精進します」

ホワイトボードを使用してドロップキック講座を開くシーンは、相澤のトレーナーとしての経験が活きた名場面だ。セミナー特有の進行と喋り方が、ドロップキックで人を殺すという行為に妙な説得力を与えているのが可笑しい。

「セミナーで講師として人前に立って喋る事はトレーナーの仕事としてよくある事なので、緊張するどころかいつも通り出来ました。ホワイトボードに書かれている内容や心停止についてのメカニズムを説明するセリフは僕のアドリブ。身体構造に関する実例をドロップキックに当てはめて喋っています。トレーナーとしての知識を役立てることが出来て、阪元監督も面白がってくれました」

未知の世界へ第一歩

全国公開に先立って、8月下旬に開催された大阪アジアン映画祭でワールドプレミア上映され、相澤も舞台挨拶のステージに初めて立った。ボディビルの晴れ舞台とはまた違った感慨があったようだ。

「俳優として役を演じている自分が大きなスクリーンに映っている感激。それを大勢のお客さんが観てくれている感動。緊張もありましたが、なんだか童心に返ったような感覚がありました」

俳優としての記念すべき第一歩を噛みしめる相澤は「未知の世界にやっと足を踏み入れる事の出来た実感もありつつ、どこかフワフワしている自分もいます。もっともっと頑張らねば!と思わせてくれるきっかけになりました」とさらなる前進を誓っている。

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