児童書出版社として知られる「福音館書店」(東京都文京区)は9月11日、本社を12月15日から東京都中野区に移転すると発表しました。移転先は中野坂上サンブライトツイン2階(東京メトロ中野坂上駅徒歩1分)。
同社では地域住民らに向け、「40年以上のあいだ、支えて下さった地域の皆さま、本当にありがとうございました。移転後も、より一層、良質な出版活動に励んでまいりますので、どうぞ引き続き、福音館書店をよろしくお願いいたします」と感謝を述べました。
同社の本社ビルといえば、正面にある人気絵本「ぐりとぐら」の時計が有名。周辺住民やファンの間ではシンボル的存在です。本社移転が発表されると、ネット上でも「前を通ると時計を見上げるのが習慣でした」「ぐりとぐらの時計はどうなるの?」「さみしくなります」といった声が上がっています。
移転後はどうなるのでしょうか。同社担当者は、まいどなニュースの取材に対し、「当社のシンボルですので、新オフィスにもちろん持っていくつもりです。中野坂上の新オフィスの中に飾る予定で場所をあけております」と回答しました。
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ちなみに、ぐりとぐらの時計は現在、東京・立川市のPLAY!MUSEUMで開催中の展覧会「大どろぼうの家」(9月28日まで)会場に展示されています。同社担当者によると「大どろぼうの家のどろぼうに盗まれた」のだとか。X上では通行人らが「ぐりとぐらの時計がなくなってる」「電池交換かな」などと心配する声も。会期終了後には同社に戻ってくるのでご安心を。
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福音館書店…1916年、カナダ人宣教師が創設したキリスト教関連の図書を扱う書店「福音館」がルーツ。第2次世界大戦の影響で日本人経営者に譲渡され、書店事業とともに出版活動への取り組みを開始。1952年2月、出版部門を独立し、有限会社福音館書店として金沢市に創立。同年8月、東京都杉並区に移転。1984年からは現在の東京都文京区本駒込に社屋を移転。2000年8月、有限会社福音館書店から株式会社福音館書店に組織変更。「ぐりとぐら」「だるまちゃん」「うさこちゃんの絵本」「エルマーのぼうけん」シリーズなどで知られています。