メンツィカンでの衝撃の授業は、1カ月山の中で命懸けの薬草実習!
(東)メンツィカンというのは?
(小川)チベット語で医学大学って意味です。
(東)薬草実習というのは?
(小川)1カ月間、地図もない山に入って、薬の原料になる薬草をひたすら採るというものです。これがやりたかったと言ってもいいです。
(小川)守らないといけないのは、「生きて帰ってこい」。「特に小川は国際問題になるから絶対に死ぬな」と言われました(笑)
(東)小川どんどん攻めるからなー。
(小川)やっぱり山奥に行かなきゃ採れない薬草を持って帰ってきた人が 1番ヒーローなんですよね。
(森田)そんな危険な場所にある薬草はやっぱ効くんですか?
(小川)取る方の気持ちが盛り上がります。あと、処方する時にちょっと恩着せがましくなる(笑)。
(東) 飲む方関係あらへん!(笑)
卒業試験は医学書8万文字を早口で暗唱!
(東)「四部医典」これは何て読むんですか?
(小川)「シブイテン」と言いまして、4つの部門があるので四部医です。8世紀からずっと受け継がれているチベット医学の古典です。これをみんなの前で早口で暗証するのが卒業試験です。
(森田)うわあ、すごいな。チベット語ってこんなんなんや。
(小川)サンスクリット語を基本にしています。これを5年分割して1年毎に暗唱して、最後に「ギュースム」という卒業試験で、四方を全員に囲まれた中で一気に暗唱します。私は5時間かかりました。しかもピンマイクがついていて、暗唱が郊外にマイクで流れるんです。
(森田)え、なんで?
(小川)この人はどれだけ勉強したのかを全員に知ってもらうためです。試験が終わると、「この人は医者」だという証人になります。僕の時は可愛がっていた野良犬が声を聞いて入ってきました(笑)。
西洋医学との差は埋められない!?筆者が一番伝えたいこととは…
(東)疑問なのが、チベット医学は歴史があるけど。西洋医学との差は埋められないですよね?
(小川)はい!まさにそう思って、休学したんです(笑)。
(森田)休学はそれなんや(笑)。例えば手術はできる?
(小川)抗生物質も消毒もないし、元々そこまでできないですよね。実際、足の小指骨折したって来た人いましたよ。「いや、病院行ってください」って(笑)。
(森田)何それ、落語みたいな!(笑)
(東)最後に、この本で伝えたいことは何でしょう?
(小川)「チベット」って言葉が先走っていますが、実際は、恋も喧嘩もあり、汗もかいて、人間臭さがあることですね。そして1番伝えたかったのは、「やっぱり僕、カッコいいでしょ」って(笑)。
(森田)ずっとカッコつけやねん!しかもわかりやすい。山登ったりとか、本全部覚えたりとか(笑)。
謎に包まれたチベット医学の魅力に、チベットのスピリチュアルなイメージでない人間臭さについて語ってくれた作者の小川さんでした。