SUVとミニバンは、ともにファミリーに人気の選択肢です。ここでは、維持費や走行性能、運転のしやすさ、快適性といった両者の特徴・違いを解説したうえで、ケース別のおすすめ選択肢を解説します。それぞれのおすすめ人気車種もご紹介していますので、参考にしてください。
SUVとミニバンの違いは?
SUVとミニバンは、ともに人を乗せる乗用車です。ただし、以下のように両者の強みは大きく異なります。
・SUV:悪路も含めた様々な道を走れる
・ミニバン:大人数でも快適に移動できる
SUVは最低地上高が高く、凹凸のある道も走れます。ただし、車内は特別広くありません。
一方、ミニバンは多くが大人数・大荷物に対応でき、低床フロアとスライドドアにより小さな子どもや高齢者も乗り降りしやすいです。
▽燃費や運転の難易度はサイズによる
燃費や運転のしやすさは、基本的に車のサイズに応じて変わります。SUVとミニバンには小型・中型・大型の車種が存在するため、以下の表を目安にしてください。
【コンパクトSUV / 5人乗り】
・WLCT燃費目安:約15~30km/L
・全長目安:約4000~4500mm
・全幅目安:約1700~1850mm
【ミドルサイズSUV / 5~7人乗り】
・WLCT燃費目安:約13~22km/L
・全長目安:約4500~4800mm
・全幅目安:約1850mm
【ラージサイズSUV / 5~7人乗り】
・WLCT燃費目安:約8~20km/L
・全長目安:約4800mm以上
・全幅目安:約1900~2000mm
【コンパクトミニバン / 5~7人乗り】
・WLCT燃費目安:約15~28km/L
・全長目安:約4300mm
・全幅目安:約1700mm
【ミドルサイズミニバン / 7~8人乗り】
・WLCT燃費目安:約11~23km/L
・全長目安:約4700~4800mm
・全幅目安:約1700~1750mm
【ラージサイズミニバン / 7~8人乗り】
・WLCT燃費目安:約8~18km/L
・全長目安:約4900mm以上
・全幅目安:約1850mm
燃費はガソリン車かハイブリッド車かによっても大きく異なります。サイズは、運転に自信がない場合はコンパクト系がおすすめです。
▽維持費も基本的にはサイズ次第
SUVとミニバンは、どちらもサイズ展開が幅広いです。そのため、維持費も「どちらのほうが高い」ということはなく、その車のサイズによって変わります。
選ぶときは(1)燃費(燃料代)、(2)排気量(自動車税)、(3)車重(自動車重量税)の3点を比較すると良いでしょう。
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両者の定義とメリット/デメリット
ここでは、SUVとミニバンの定義とメリット/デメリットを解説します。
▽SUVの定義とメリット/デメリット
SUVは「Sport Utility Vehicle」の略で、日本語では「スポーツ用多目的車」と訳されます。ただし、用途はスポーツに限定されません。最低地上高の高さが特徴です。
【メリット】
・雪道や山道などの悪路に強い
・走行安定性が高い
・座面が高く、前面を見渡しやすい
・デザイン性が高い
【デメリット】
・3列目は基本的に狭い
・最低地上高が高く、乗降性は低い
・機械式立体駐車場を使えないことが多い
最大のメリットは、走行性能の高さです。街乗りもオフロードも対応でき、降雪地帯に住む人にとっても安心の選択肢といえます。また、最低地上高が高いからこそ座面も高く、「実は運転しやすい」という声もあります。
ただし、走行性重視の車であるため、ミニバンのような居心地の良さはありません。
【SUVでも3列シート車はある】
SUVでも、ミドルサイズやラージサイズSUVでは3列シート7人乗りを選べる車があります。3列シート車は車中泊などに向くことが多いです。ただし、基本的にSUVの3列目は狭く、子ども用や緊急用と考えたほうが良いでしょう。
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▽ミニバンの定義とメリット/デメリット
ミニバンは、一般にワゴンタイプの3列シートがある車を指します。ただし、最近では2列シート5人乗りを選択できる車種もあります。
【メリット】
・大人数や大荷物に対応できる
・シートアレンジが豊富
・スライドドア搭載で乗降性が高い
・前面の視野が広い
【デメリット】
・小回りが利きにくい
・車重が重く燃費が悪い
・機械式立体駐車場を使えない
ミニバンの魅力は車内の広さと快適性。ミドルサイズ以上なら、7~8人乗ってもあまり窮屈でないでしょう。また、子どもや高齢者でも乗り降りしやすく、ドアを隣の車にぶつける心配もありません。
一方で、箱型のボディで全長が長く、SUVよりは小回りが利きにくいです。また、車重が重く、走りに機敏さはありません。
【機械式立体駐車場に入れる高さは1550mmが目安】
機械式立体駐車場は、車のサイズを制限しているのが一般的で、その目安は全高1550mmまで。SUVでも全高1550mm以下の車は非常に少ないですが、ミニバンは基本的にこれを満たすものがありません。
SUVとミニバンはどちらを選ぶべき?
SUVとミニバンのどちらを選ぶべきかは、ケースバイケースです。ファミリーだからと言ってミニバンを選ぶ必要はありません。
ただし、住んでいる地域やドライバーの運転技術、子どもの年齢や人数によって選ぶべき選択肢は変わります。
▽基本的な選び方
「SUVとミニバンのどちらにするか」は、基本的に以下の選び方を参考にしてください。
【SUV】
・降雪地帯に住んでいる
・海や山へ行く機会が多い
・3~5人で使い、子どもは小学生以上
【ミニバン】
・5人以上での外出が多い
・車内に自転車などを積みたい
・未就学児や高齢者も乗る
走行性を重視する場合は、SUVをお勧めします。子どもが自分で乗り降りできる年齢になれば、ファミリーでも使いにくくないでしょう。
一方、大人数や大きな荷物への対応が必要な場合、車の乗り降りに配慮が必要な人がいる場合はミニバンがおすすめです。現在はスライドドアのハンズフリー機能を選択できることも多く、「子どもを抱えたままドアを開けたい」といった時にも便利です。
▽サイズの選び方
サイズは(1)ドライバーの運転技術、(2)住んでいる地域、(3)乗車人数の3点から決めましょう。
【コンパクトSUV】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:〇
・地方在住/大人5人乗車:―
・地方在住/6人以上で乗車:―
【ミドルサイズSUV】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:△
・地方在住/大人5人乗車:△
・地方在住/6人以上で乗車:―
【ラージサイズSUV】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:―
・地方在住/大人5人乗車:〇
・地方在住/6人以上で乗車:〇
【コンパクトミニバン】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:〇
・地方在住/大人5人乗車:―
・地方在住/6人以上で乗車:―
【ミドルサイズミニバン】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:―
・地方在住/大人5人乗車:〇
・地方在住/6人以上で乗車:〇
【ラージサイズミニバン】
・運転が怖い/都市部在住/3~5人乗り:―
・地方在住/大人5人乗車:〇
・地方在住/6人以上で乗車:〇
道幅の狭い都市部に住んでいる場合は、基本的にコンパクトサイズの車がおすすめです。ただし、乗車人数が多めの場合はミドルサイズSUVでも良いでしょう。
運転技術の高い人であれば、都市部でもミドルサイズミニバンを難なく操作できます。ただし、施設の駐車場などで車の取り回しに苦労することがあるかもしれません。
▽「中古を買って数年で乗り換え」も
「子どもが小さいけどSUVにも乗りたい」と考えた場合、たとえば「就学までの数年は中古でミニバンに乗り、その後SUVに乗り換える」といった選択肢もおすすめです。
子どもが小さいうちは食べかすや泥などで車を汚しやすいもの。そう言った場合、「中古で数年だけ」と思えば気軽に乗れます。