はよーしねー、きょーてー…。岡山弁をあしらったユニークなのぼり旗が、岡山市北区建部町建部上のたけべ八幡温泉にお目見えした。住民グループが地域で親しまれている方言に関するアンケートをウェブで実施し、独自に番付表を作って旗に印刷。岡山弁を生かした地域おこしを掲げてきた建部町地区の伝統を受け継ぎ、活力アップを目指す。
番付表とのぼり旗を手がけたのは、旧金川高(現・岡山御津高)卒業生でつくる地域活性化グループ「ゴールデンリバー53」。岡山弁を切り口にしたまちづくりの新企画として発案した。
ウェブアンケートは2024年7~9月に行い、200人が回答。「すごい」を意味する「でーれー、ぼっけー(横綱)」をはじめ、「おえん(だめだ、大関)」、書道の起筆を表す「うったて(関脇)」など38の言葉を番付形式にまとめた。
のぼり旗にはそれぞれ、小結以上の8種類の中から別々の言葉を印刷。地区外から多くの観光客らが訪れる同温泉の駐車場に、旗16本と番付表(A2判)を設置している。
備前、美作国の方言が混在する同地区は旧建部町時代の01年に「岡山弁の町・建部」を宣言。09年には地区有志が「岡山弁協会」を設立し、岡山弁のオリジナル劇などを披露して人を呼び込んできたが、担い手の高齢化などで23年に解散を余儀なくされた。
「まちづくりの停滞ムードを払拭しよう」と、ゴールデンリバーは昨年から新企画を検討。ESD(持続可能な開発のための教育)について考える官民組織・岡山ESD推進協議会から助成を受けて旗と番付表を作り、メンバーたちが7月上旬に設置した。
今後も岡山弁かるたを使ったワークショップ、岡山市で開かれる秋祭りでの方言クイズ実施などを計画。友谷清志代表(65)は「独特の語感を持つ岡山弁は、地区への関心を喚起するツールになる。これまでの取り組みを発展させ、まちを活性化したい」と話している。