同志社創立150周年記念シンポジウム「スポーツが切り拓く未来社会」がこのほど、京都市上京区の同大学で開かれた。1月の箱根駅伝で2連覇を遂げた青山学院大陸上部の原晋監督が大学スポーツの意義について講演し「社会に通用する人間を育成するという理念が大切」と訴えた。
原監督は大学がスポーツ強化に取り組む効果として、私大の生き残り戦略と愛校心の醸成、寄付金集めの3点を指摘。「少子化が進む中でブランドに甘えていていいのか。勉強を教えるだけで魅力的な大学になれるのか」と問いかけた。
青学大では陸上部の強化に向け、スポーツ推薦入学制度を整備。運営面では企業や自治体と提携して金銭的支援を受けていると明かし「合宿や遠征など強化には費用はかかるが、選手たちはアルバイトをする時間もない。大学の補助金に頼らず、部としてお金を得る仕組みをつくるのは当然だ」と述べた。
同志社大に対しては「私ならラグビー部を強化してもう一度、日本一を目指す。やるからには大学の看板にならないと」と名門復活に期待を示した。
このほか、陸上短距離で活躍した朝原宣治さんやパリ五輪女子1500メートル、5000メートル代表の田中希実選手ら卒業生が学生時代の競技生活を振り返り、今後のスポーツ環境を考える討論会もあった。