高齢女性の施設入所で飼い猫が…→中学生息子「自分が飼う!」15年後、幸せなシニア猫に

梨木 香奈 梨木 香奈

出会いは突然やってくるもの。人間も猫も、どこかで結ばれる縁があると信じたくなる瞬間がありますよね。元保護猫の男の子「まるくん」が、現在の飼い主であるXユーザー・めかりんまるさん(@kijishiroMARU)のおうちに迎えられたのは、2010年11月27日のこと。

当時、まるくんは生後推定6カ月ほど。近所のおばあちゃんのもとで暮らしていた猫でした。あるとき、そのおばあちゃんが認知症のため施設に入ることになり、身寄りのないまるくんが野良猫になる危機に。すると、当時中学生だった飼い主さんの三男が、友達から相談を受け、「自分が飼う!」と連れて帰ってきたのです。

「我が家はみんな猫好きでしたが、同居している義母は猫が苦手だったため、一緒に暮らしたことはありませんでした。でも息子の決意は固く、『受験勉強も頑張るし、面倒も見る』と言うので、お迎えすることに。当初は痩せていて顔もほっそりしていたので、丸く福々しくなってほしいという願いを込めて『まる』と名付けました」

まるくんとの暮らしは、こうして始まったのです。

初日から人懐こい!でも脱走癖に大慌て

まるくんは、初日から堂々とした様子だったといいます。緊張することもなく家を探索し、家族にゴロゴロと甘える人懐っこさを見せました。

「ただ、外猫だったからか、とにかく外に出たがって。脱走しては野良猫と喧嘩し、探し回ったり病院に駆け込んだりしたこともありました」

耳ダニやお腹の虫、発情後の去勢など、飼い主さんはまるくんの健康管理に追われたといいます。脱走癖は手術後も治まらず、ストレスで粗相をしてしまうことも。大きな課題となった“脱走対策”は、試行錯誤の連続でした。

「今は、万が一の事態に備えて『紛失防止タグ』を付けて、スマホで追跡できるようにしています」

さらに食いしん坊で、後から迎え入れた保護猫リオちゃんのご飯まで食べてしまうこともあったといいます。病院の先生から「少し痩せようね」と言われたため、食事管理も大切なサポートのひとつになりました。

まるくんが変えた家族の日常

まるくんは、飼い主さんご家族にとって初めて一緒に暮らす猫。新しい家族が増えれば、それまでの生活に変化が生まれます。

「まるが来てからは、家族全員が“まるファースト”になりました。仕事中もランチ中も『早く帰ってまるの顔を見たい』『寒くないかな? 暑くないかな? カリカリや水は足りてるかな?』と気になるように。午前中は夫が在宅なので、お世話を分担するようになりました」

家族で力を合わせてまるくんの健康に気を配り、心地よく過ごせるよう工夫する日々が始まりました。

一方、まるくんも、そんな飼い主さんご家族との暮らしを楽しんでいるようです。

「ニャルソック中、近所の野良猫が現れてもすぐ目をそらす平和主義者です。また、人見知りすることなく、初めて会う人に触られても気にしません。めったに怒ることはないものの、ごくたまにシャーッと威嚇することも。おおらかで器が大きい子だと思います」

優しい飼い主さん家族に見守られながら、すくすくと成長したまるくん。大きくなるにつれて、唯一無二の特徴もくっきりはっきりしてきました。

「鼻まわりの模様が猫のように見えるんです。まるのチャームポイントですね」

また、目新しいものには興味津々…! まるくんのために買ってきたブランケットや猫ベッドをすぐに使ってくれる姿を見て、飼い主さんは愛おしさで胸がいっぱいになるそうです。

シニア期を迎えたまるくんへの思い

まるくんは、今年で推定15歳を迎えました。人間の年齢に例えると、75歳前後のシニア猫です。若いころは脱走の常連でしたが、今では動き回る時間も減り、自分の猫ベッドで眠っていることが増えました。

「これまで大きな病気になることなく、長い年月をともに過ごしてくれたことに感謝しています」

まるくんと飼い主さんご家族の出会いは、息子さんの決意から始まった“サプライズ”のようなもの。今では家族全員の心の支えとなり、穏やかな毎日を届けてくれる存在です。

「この先も健康に気をつけながら、まるが穏やかに過ごせるよう見守りたいと思います」

まるくんは、これからも家族に愛されながら、のんびりと幸せな猫生を歩んでいくことでしょう。

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