どんなに仲の良い兄弟でも、幼い頃の兄弟喧嘩は日常の風景のひとつです。特に歳が近かったり、性別が同じであったり、さらには好みが似ていたりすると、お菓子やおもちゃなどの取り合いが原因で衝突することも少なくありません。
親としては「仲良くしてほしい」と願うものの、子どもたちにとっては喧嘩も成長の一部。適度な距離感を学びながら、絆を深める機会にもなるため、むやみやたらに親が声を掛けるべきではない場合もあるでしょう。
家族の何気ない日常を漫画に描いている漫画家のなりたりえさん宅では、譲り合いの精神がまだ育ち切っていない姉妹の間でよく喧嘩が起こっているようです。なりたさんご夫婦間では「お互いにゆずり合う、優しい気持ちをもってほしいね…」と、話し合っていました。
そんなある日、なりたさんと旦那さんの2人が晩酌していると、一緒に食べていたおつまみが残り1つに。そこで酔った勢いもあってか、旦那さんが残り1つを賭けて「じゃんけんで勝負だ!!」と意気揚々と提案してきました。
ほど良く酔っていたなりたさんは、売り言葉に買い言葉の調子で承諾し、絶対におつまみを勝ち取るぞと意気込んでいましたが、次の旦那さんの言葉であっけにとられてしまいます。先ほどまでの威勢はどこへやら、なんと旦那さんは「…でも、やっぱり、さいごの一個は、りえにあげる!」と、あっさりと渡してきたのです。
旦那さんはこのやり取りを子どもたちに見せて、「自分も食べたかったけれど、相手が美味しいと喜ぶ姿を見る方が嬉しい」というゆずり合いを教えたのでした。
その様子を描いた漫画をX(旧Twitter)に公開すると「見事なオチです(笑)思いやりは大切ですね!」など、夫婦のまるでコメディのような展開を楽しむ声が。
ほかにも、「うちは分け合うことで円満解決してる」や「仲の良い相手だからこそじゃんけんで決めようぜっていうのが楽しかったりしますよね!」など。お互いのことを思いやっているからこその解決策を、ご家庭ごとに持っているようです。
普段の姉妹喧嘩について、実際の様子などを作者のなりたりえさんに聞いてみました。
ー冒頭、姉妹で譲りあえずに喧嘩している様子が描かれておりましたが、姉妹喧嘩は比較的よく目にする光景なのでしょうか?
姉妹喧嘩は、しょっちゅうあります。最近は「どちらのゲームをやりたいか」「どちらのテレビをみたいか」等でよく喧嘩しています。
ー件の漫画で、旦那様から潔く譲られてしまったときの心境を教えていただけますでしょうか?
「やられた…!」と思いました。夫の提案にノリノリでのってしまった自分が悔しかったです…!でも笑いましたが。
ーその後、姉妹の普段の行動に変化はございましたでしょうか?
ほんの少しずつですが、姉妹で譲り合うことが増えてきた気がします。
ー逆に姉妹の言動から、大人の方が「譲りあうことの大切さ」を感じさせられる出来事などはありますか?
譲り合いとはまた違うかもしれませんが、よく子供がおやつを食べていて「これすごく美味しいから、ママも食べて!」と分けてくれることがあります。大切なおやつなのに…。優しいなと思うし、大切な人と美味しさの共有をしたい気持ちもよくわかって、嬉しくなります。
ーでは最後に、ご家庭内に限らず、姉妹が考えて行動して「譲りあうとお互いに幸せな気持ちになる」という体験をしたエピソードがありますか?
長女は学校では、何かの時にお友達に譲ることが多いらしくて、先日、先生から「ほのかさんはいつも譲っているから、今日は食べな」と、人気のあった給食のおかわりを譲ってもらえたようです。その時に「いつも譲っていると、いいこともあるね!」と嬉しそうにしていて、私も嬉しかったです。
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