行き場を失った犬や猫を保護する活動において、欠かすことができないのが預かりボランティアという存在。保護した犬や猫を本当の家族が見つかるまで世話をする役目の人です。
静岡県で暮らすSさんは、地元の保護団体・スリールに登録する預かりボランティアさんですが、2024年7月7日に、同団体を介して新しい保護犬を迎え入れることにしました。そのワンコは、まんまるの大きな目と愛くるしい表情が印象的な6歳ほどのメスのコーギー。
七夕に迎え入れたことから、名前は「笹」と命名。植物の「笹」の花言葉は「ささやかな幸せ」ということもあり、Sさんは新しい家族が見つかるまで「ささやかでも幸せを感じて欲しい」という願いも込めました。
笑顔の反面、上から手を近づけると怯えることも…
保護当初から笹は人懐っこく、時折笑顔を浮かべては、Sさんの後ろを短い足でピョコピョコ追いかけてきます。その様子が愛おしく、笹を撫でてあげようとすると、この瞬間だけ暗く切ない表情を浮かべました。
笹が元いた環境の詳細は明らかになっていませんが、もしかしたら以前の飼い主から度々ぶたれるなどの経験があり、そのトラウマかもしれません。そんなことを想像すると、胸が締め付けられるSさんでしたが、ここで悲しんでいても笹のこれからの生活が良くなるわけではありません。笹が明るく楽しい日々を送ってくれるようにお世話をし続けました。
笹は他のワンコたちと遊ぶことも大好き
優しいSさんのお世話の甲斐もあり、笹はさらに笑顔を浮かべる時間が多くなり、上から手を近づけてもおびえることもなくなりました。
また、牧羊犬でもあるコーギーの血が騒ぐのか、他の動物と触れ合うことも大好き。
特にSさんの家にいる先住犬たちと一緒に遊ぶのが大好きで、ここでもまた短い足で他のワンコの後ろをピョコピョコ追いかけ、人間もワンコも同時に和ませてくれるのでした。
コーギー定番の「桃尻カット」。でもなんか食パンっぽい(笑)?
ところで、コーギーでは定番というお尻の「桃尻カット」というものがあります。本来、コーギーは一定以上毛が伸びないため、そう頻繁なトリミングの必要が無いと言われていますが、排便・排尿によってお尻が汚れやすい子の場合、衛生を保つためにお尻の毛を丸くカットすることがあります。
これこそが桃尻カットなのですが、Sさんはなんと自分で笹のお尻を桃尻カットに挑戦。笹のぷりっとしたお尻が引き立ち、なんともかわいらしい後ろ姿になりました。
「でも、なんか食パンっぽいんですよね。笹の茶色と白い毛並みが」と笑うSさんでしたが、その横で笹もニコニコ。ここでもまた周囲の人間の表情をほころばせるのでした。
しばらくの間、笹はSさんの家で元気いっぱい明るく過ごしていました。保護当初に時折見せた切ない表情は見せなくなり、寝ているとき以外は常に笑顔でルンルン。
こんなに明るく愛くるしい笹を前にするとSさんも幸せな気持ちになりましたが、さらにうれしいことが。笹のもとに第二の犬生へと導いてくれる優しい里親さんとの出会いが訪れたのです。
里親さんは、先住犬のコーギーを突然死で虹の橋に見送り、心がふさぎ込んでいる状態が続いているときに笹と出会ったと言い、笹を「一生の家族」として迎えてくれました。
それまで以上の笑顔を浮かべるようになった笹。優しい里親さんの元でのその犬生は、さらに笑顔を浮かべる時間が多くなることでしょう。
スリール〜犬達の幸せ探し〜
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